豪ドル、豪ドル/米ドル、豪中銀、豪CPI、コモディティ、ASX 200、米ドル - トーキングポイント
- 豪ドルは、ファンダメンタルズ要因を織り込んでいる
- 豪ドル/米ドルは、米ドルが6日夜(日本時間)に上昇した後、67セント付近でもみ合っている
- コモディティは引き続き、豪ドルに貢献。豪ドル/米ドルを押し上げるか?
オーストラリア統計局が7日に発表した2022年7-9月期の豪国内総生産(GDP)は前期比0.6%増加と、予想(同0.7%増)、前期(同0.9%増)をともに下回ったが、オーストラリアドルの反応は薄く、67セント付近にとどまっている。
豪GDPは前年同期比でも5.9%増と、予想(6.3%増)を下回り、4-6月期の数値は3.6%増から3.2%増に下方修正された。
全体として、オーストラリアの国内経済の強さを依然として示してはいるが、成長伸び悩みの兆しが表れてきている可能性はある。
昨日6日は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が5月以来8回目となる利上げを実施し、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント引き上げ、3.10%とした。
最新の豪インフレ率は前年同月比の伸び率が6.9%と、豪中銀の物価目標である2-3%を大幅に上回った。
また、昨日6日に発表された2022年7-9月期の豪経常収支は23億豪ドルの赤字だった。赤字への転落は2019年1-3月期以来となる。
健全な貿易黒字は記録的な所得赤字によって相殺されたが、これは主に、鉱山会社がオフショア企業に支払った配当金の増加が起因している。旺盛な内需も赤字となった要因である。
オーストラリアの鉱山会社が貿易黒字に貢献していると話題になることが多いが、農産物や家畜の肥料などソフトコモディティは引き続き、世界中に食料を提供している。
オーストラリア農業資源経済科学局(ABARES)は今週、2023年冬の農作物の総生産量は6,300万トンと、過去2番目の高水準となると発表した。
東部の州で春に洪水が発生し、作物が広範囲にわたって被害を受けたにもかかわらず、である。小麦とキャノーラの生産量は過去最高を更新する見通しである。
ただ残念ながら、北半球での大豊作により、小麦価格は14カ月ぶりの安値で取引されている。
一方、鉄鉱石や銅などの工業用金属は、中国が厳しい感染対策である「ゼロコロナ政策」を緩和するとの期待を背景に、先月から上昇している。
豪ASX 200株価指数は、米国株の軟調な流れを引き継ぎ、下落して始まったが、きょう7日に発表された経済指標の影響はほとんど受けなかった。
米ドルは気まぐれな動きが続いているようで、豪ドルは、米ドル相場が動く際に最も大きな動きが発生するように見える。
豪ドル/米ドル チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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