※2023年2月28日15時11 分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、豪経常収支、豪GDP - トーキングポイント
- 今週の豪ドルは、弱気な展開を休戦
- 豪の小売売上高と経常黒字額が予想を上回る
- 下落トレンドはひとまず一時休止。豪ドル/米ドルの行方は?
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オーストラリアドルは先週、2%超下落したが、今週週初は落ち着きを取り戻している。先週の下落は、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めるとの見方から米ドルが急上昇したことに端を発した。
きょう28日に発表されたオーストラリアの経済指標は、昨年末から2023年にかけて同国経済が堅調に推移していることを示している。
2022年10-12月期の豪経常黒字は141億豪ドルと、予想の55億豪ドルを大きく上回り、前期の経常収支は23億豪ドルの赤字から8億豪ドルの黒字に上方修正された。
1月の豪小売売上高は前月比1.9%増と、予想(同1.5%増)、前月(同0.2%減)をともに上回った。
2022年10-12月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比7.8%増だったことを踏まえると、この時期まで豪州景気は非常に好調だったと言える。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の今後の金融政策について言えば、問題は、合計300ベーシスポイント相当の引き締めを実施することに伴う影響である。パンデミック時に低い水準の固定金利で借り入れられた多くの住宅ローンが今年満期を迎え、借り手は高金利での借り換えを強いられるためだ。
この事象の潜在的な影響を計る際の問題は、利用可能なデータがマクロレベルであり、詳細な情報まで掘り下げることができない点にある。
借入コストが大幅に上昇する世帯は、多額の準備資金を積み立てているか、あるいはこの状況に対処するために他の手段を用意しているかもしれない。あるいは、そのどちらでもない、かもしれない。
RBAは主要な銀行からデータを収集しており、他国よりも状況を把握しやすいと思われる。
いずれにせよ、固定金利ローンの返済がどのような影響を及ぼすのか、あるいは及ぼさないのかを見極めるため、年内に発表されるデータは非常に注意深く観察されることになりそうだ。
豪ドル/米ドルは今のところ、国内経済の状況よりも、世界的なセンチメントの変動により敏感に反応するように思われる。
為替レートが今の水準付近で推移すれば、現在の経常収支と貿易黒字は引き続き、豪ドルにプラスに働くように見える。
ブルームバーグのエコノミスト調査によると、明日発表される2022年10-12月期の豪国内総生産(GDP)は前期比0.7%増、前年同期比では2.9%増と予想されている。



豪ドル/米ドルのテクニカル分析
豪ドルは先週、上昇トレンドチャネルの下限ラインをブレイクし、弱気の勢いが増してきたように見えた。
豪ドル/米ドルは0.6698まで下落した際、過去の安値である0.6688付近が当面のサポートとなったように見える。過去の安値0.6629と0.6585がサポートとなる可能性もある。
下降局面では、21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの下限バンドを下回って取引を終えたが、昨日27日はバンドの内側に戻って終値を付けた。これは軟調な動きの一服、あるいは反転の可能性を示している。
一方、上値では、0.6856と0.6916のブレイクポイントがレジスタンスとなり、その後は過去の高値である0.7011と0.7030も控えている。
豪ドル/米ドル 日足チャート

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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