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- 豪中銀は9回目の利上げを実施。25bp引き上げ、3.35%とした
- 豪ドル/米ドルは発表直後に上昇したが、その後は息切れ
- 豪中銀は今後さらに利上げを実施すると見られている。その見通しは豪ドル/米ドルを下支えするか?



オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)はきょう7日、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを3.10%から3.35%に引き上げ、2022年5月に始まった最初の利上げから合計325bp追加された。オーストラリアドルは発表直後に上昇したが、その後は上昇分のほとんどを帳消しにしている。
2022年10-12月期の豪消費者物価指数(CPI)が高い伸びを示したため、豪中銀にとっては頭痛の種となっていた。
昨年10-12月期の豪CPI総合指数は前年同期比7.8%上昇し、市場予想(同7.6%上昇)、前期(同7.3%上昇)を共に上回った。
前期比でも1.9%上昇と、予想(1.6%上昇)、前期(1.8%上昇)を共に上回った。
コアインフレ率に当たるCPIの中銀トリム平均値は前年同期比で6.9%上昇し、これも予想(同6.5%上昇)、前期(同6.1%上昇)を上回った。
CPIの中銀トリム平均値の前期比での伸び率は1.7%と、予想(1.5%)を上回った。前期は1.9%に上方修正された。



豪CPIの発表前、市場は豪中銀による金利の行方を決めかねていたが、CPIにより物価上昇圧力の高まりを示す証拠が確認されると、すぐに利上げ実施の確率は高まった。先物市場では、3月に25bpの利上げを実施する確率が高まり始めている。
豪中銀は政策金利発表に伴う声明文で、「理事会は、この高インフレが続く期間が一時的なものとなり、インフレが目標とする水準にしっかりと戻るまで、今後数カ月間にさらに金利は引き上げられると見ている」と述べている。
これに先立って発表されたオーストラリアの昨年12月の貿易収支は、122億5,000万豪ドルの黒字で、予想(124億5,000万豪ドル)とほぼ一致した。昨年11月の貿易黒字は132億豪ドルから134億5,000万豪ドルに上方修正された。
1月に鉄鉱石、銅、金、アルミニウム、ニッケルの価格が大きく上昇したことはオーストラリアの国内景気をさらに押し上げるだろう。
インフレをさらに加熱させる可能性のある先行指標は、オーストラリアの建築許可件数だ。昨年12月は前月比18%増だった。失業率は現在のところ、数世代にわたる低水準で3.5%にとどまっている。
すべてのマクロ経済データは、オーストラリア経済が堅調に推移していることを示している。唯一の不安材料は、固定金利住宅ローンの借り換え問題である。
金利負担が3%低いときに固定金利住宅ローンを組んだ借り手が多く、現地ではこれを「崖っぷちの住宅ローン」と呼んでいる。これらのローンの多くは2023年にロールオーバー(借り換え)を迎える。
豪中銀は声明で、金融政策の変更が反映されるには時間がかかるため、金利上昇の効果は住宅ローンの支払いにはまだ完全には反映されていないことを理事会は認識している、としてこの問題に触れていた。
豪中銀がよりタカ派的な姿勢を示せば、豪ドル/米ドルは目先、下支えされる可能性がある。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)もタカ派的なトーンを強めており、米ドルが上昇の勢いを増せば、豪中銀が何をしても豪ドルの押し上げ効果はあまり期待できないかもしれない。
豪ドル/米ドル チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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