豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、FRB、FOMC、中国 、トレンド - トーキングポイント
3日のシドニー外国為替市場でオーストラリアドルは下落。安全な投資先へ資金が向かう流れの中、幅広い通貨に対し米ドルが上昇したことが豪ドルの下押し要因となった。きょう5日のアジア時間帯では、豪ドルはやや落ち着きを見せている。
年明けの為替取引では、米国景気の落ち込み度合いに注目が集まり、リスク資産や成長関連資産に対する投資意欲が一転して低下した。
ウィリアム・ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は3日、ブルームバーグテレビのインタビューで、景気が後退するなら、それは米連邦準備制度理事会(FRB)が誘発したものだと強調した。また、FRB主導のよる景気減速のため、その後の金融緩和でリセッションを終えることができ、金融の安定性に対するリスクはないと述べた。この発言にもかかわらず、米景気後退懸念は根強いのが実情だ。
前回12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨はこの後発表され、引き締めサイクルに対するFRBの見通しがさらに明確化するかもしれない。
恐らくより重要なのは、米国の雇用統計とインフレ指標で、市場は2月初旬の次回FOMC会合を前に、これらの経済指標にも注目するだろう。
また、中国経済の再開は、期待されていたような世界経済の成長の後押しにならないかもしれないとの見方も強まっているようだ。
オーストラリアのケビン・ラッド前首相は、中国がゼロコロナ政策を一転して緩めたことについてコメントしている。
ブルームバーグテレビのインタビューでラッド氏は、今回の方針転換により、習近平国家主席の政治的判断が誤りだったかどうかが問われることになると指摘。同氏はこれを「長期政権を守るよろいのへこみ」と表現した。
ラッド氏は中国語に堪能で、オーストラリア国立大学で中国語を学んだ親中派とされる。
中国から波風が立つと、オーストラリアの貿易黒字が損なわれ、豪ドルは逆風にさらされる可能性がある。
豪ドル/米ドル テクニカル分析
豪ドル/米ドルは3日、下降トレンドラインを試したが、上方ブレイクには至らなかった。価格は2カ月間、0.6585-0.6893のレンジで推移しており、上昇トレンドチャネル内にとどまっている。
現在、過去の安値0.6585が交差している上昇トレンドラインがサポートとなる可能性がある。また、0.6669、0.6629、0.6548、0.6387のブレイクポイントや過去の安値もサポートとして機能するかもしれない。
一方、上値では、現在0.6825付近に位置している下降トレンドラインや、過去の高値である0.6893、0.6916、0.6956、0.7009がレジスタンスとなる可能性がある。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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