※2023年4月14日14時09分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドル、米PPI、豪中銀、豪CPI、NZ中銀、FRB - トーキングポイント
- 米ドルの下落を受け、豪ドルは7週間ぶりの高値を付けた
- リスクオンムードの中、ニュージーランドドルも上昇
- 豪中銀、NZ中銀、FRBの利上げ方針はそれぞれ異なる。為替相場を動かす要因となるか?



13日のニューヨーク外国為替市場でオーストラリアドルは7週間ぶりの高値まで上昇した。3月の米卸売物価指数(PPI)が予想外に軟化したことを受けて米ドルの下降圧力が再び強まったのに伴い、オーストラリアドルを買い進む動きが見られた。豪ドルとニュージーランドドルは、コモディティ相場の上昇の恩恵を最も受けている資産である。
3月の米PPIは前年同月比2.7%上昇と、予想(同3.0%上昇)、前月(同4.6%上昇)をともに下回った。また、前月比では0.5%低下し、これも予想(横ばい)、前月(0.1%低下)よりも弱い内容となった。
株価指数、コモディティ、豪ドルやニュージーランドドルなどのベータ値の高い通貨が上昇した一方で、米国債利回りは現在の水準近くで推移した。しかし、米長期債の利回りは数ベーシスポイント(bp)上昇して取引を終えた。
金利市場の動きを見ると、米金利見通しに対する市場の見方がほとんど変わっていないことが分かる。米連邦準備制度理事会(FRB)が5月上旬に25bpの利上げを実施する確率は引き続き70%近くとなっている。
マクロ経済の視点からは、米PPIが米消費者物価指数(CPI)以上に軟化したことで、企業がより拡大する利益を現金化するか、あるいは原料低下分を消費者価格に反映させる可能性が出てきた。いずれにせよ、米国株はこれを好感した。
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この楽観的なセンチメントはコモディティ市場にも広がり、金と銀は最高値を更新した。鉄鉱石は軟調に推移したものの、ほとんどの工業用金属も最高値を更新した。
豪ドルとニュージーランドドルは、世界経済の成長サイクルに敏感に反応すると市場から見られており、株式とコモディティ相場が上昇したのにつれ、値を上げた。
豪ドル/ニュージーランドドルは1.0800を上回ったものの、その水準を維持できなかった。これはオーストリア準備銀行(RBA、中央銀行)とニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)の金融政策の違いを反映しているのかもしれない。ニュージーランド中銀は5月下旬に25bpの利上げ実施と金利市場で予想されている一方、RBAは5月上旬の理事会で金利を据え置くと見られている。
両中央銀行は今後数週間のうちにCPIを発表するが、これらは豪ドル/ニュージーランドドルの方向性を決めるうえで極めて重要な要素となる可能性がある。オーストラリアの直近の四半期CPIはニュージーランドのそれを上回ったにもかかわらず、ニュージーランド中銀のオフィシャル・キャッシュレート(OCR、政策金利)は5.25%で、RBAのOCRを165bp上回っている。
RBAは彼らの相対的にハト派的なスタンスを再確認する材料として、四半期CPIよりも精度が落ちる月次CPIを挙げている。4月26日に発表される四半期CPIが予想通り、落ち着いた数値となれば、RBAの現在の立場を支えるだろうが、予想を上回る内容となれば、現在の姿勢を見直さざるを得ないかもしれない。
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資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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