※2023年4月13日13時36分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、豪失業率、NZドル/米ドル - トーキングポイント



13 日午前のアジア時間にオーストラリアドルは上昇した。きょう発表されたオーストラリアの雇用統計が堅調な内容となったことで豪ドル買いが進んだ。雇用統計では、豪労働市場はひっ迫が続いており、インフレ率の上昇傾向が長期化する可能性があることが明らかになった。
3月の失業率は3.5%と、予想(3.6%)よりも低水準だった。前月は同じ3.5%だった。オーストラリアの雇用者数は5万3,000人増加し、予想(2万人増)を大幅に上回った。前月は6万4,600人増だった。
雇用統計の中身を詳細に見ると、さらに強い内容であることが分かる。パートタイム雇用者数は1万9,200人減少したものの、フルタイム雇用者数は7万2,200万人増加と大きく伸びた。
このため、金利市場では予想が変わっておらず、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が来月の理事会で示す金融政策に対する市場予想は従来通りとの見方が増えている。来週は、豪景気動向がより正確に示される四半期ごとの豪州消費者物価指数(CPI)の発表があり、市場の関心が集まるだろう。
物価の上昇ペースが再び加速すれば、中央銀行にとっては頭の痛い話になりそうだ。
12日のニューヨーク外国為替市場で豪ドル/米ドルが上昇したのは、米消費者物価指数(CPI)が予想をわずかに下回ったことを受け、米ドル安が進んだことが要因と見られる。3月の米CPIは前年同月比5.0%上昇と、予想(同5.1%上昇)および前月(同6.0%上昇)を下回った。
12日は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も公表され、3月のFOMC会合で米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的なタカ派姿勢を緩和させたことが明らかになった。
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また、サイクロン「アイラ」が13日夜または14日未明に、西オーストラリア州の海岸地域を通過すると予想されている。今のところ、ピルバラ地域の広大な鉄鉱石に永続的な影響を与えることはないと見られているが、サイクロンの進路は注意深く監視されることになるだろう。
中国外交部の副部長は今週オーストラリアを訪問しており、豪連邦政府当局者やビジネスリーダーと何度か会談している。豪中の両陣営とも、より生産的な貿易関係となることを望む姿勢を示し続けている。
とはいえ、中国が2021年にオーストラリアのいくつかの輸出製品に対して禁輸措置を講じて以来、多くの企業は1つの大口顧客に依存するリスクを見直し、輸出市場を確立するために多角的なアプローチに軸足を移している。
その結果、オーストラリアの2月の貿易収支は138億7,000万豪ドルの黒字と、黒字額は前月から拡大し、貿易黒字は順調なペースで増加している。
世界第2位の経済大国である中国は引き続き、重要な市場であり、2国間の外交が改善されていることは、目先の豪ドルの底入れというより、センチメントの改善につながるかもしれない。
米ドルが逆風に直面し、国内のファンダメンタルズは堅調なことから、豪ドル/米ドルは0.6785-0.6800付近の潜在的なレジスタンスゾーンを試す可能性がある。
豪ドル/米ドル:米CPIと豪雇用統計への反応
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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