豪ドル、豪ドル/米ドル、豪中銀、CPI、インフレ、ASX 200 - トーキングポイント
- 豪中銀はインフレ抑制が引き続き、優先課題とし、再び0.5ポイント引き上げ1.85%へ
- 声明内容に反応し、豪ドルは米ドルに対し下落
- 豪中銀は今後、利上げ幅を縮める計画のように見える。豪ドル/米ドルは下落するのか?



オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が積極的な引き締めから一歩後退したとの見方が広がったことを背景に、豪ドルは急落した。豪中銀はオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を1.35%から1.85%へと50ベーシスポイント(bp)引き上げた。
以下の文は、豪中銀は以前ほどタカ派的ではないかもしれないと市場に信じさせたと思われる一節である。
「理事会は、今後数カ月にわたり金融状況の正常化に向けてさらなる措置に動く予定だが、あらかじめ道筋が決められているわけではない。将来の利上げの幅とタイミングは、今後の経済指標などのデータと、インフレと労働市場に関する理事会の見通しに左右される。」
目先の重要な経済指標は消費者物価指数(CPI)だが、これは10月下旬まで発表されない。そのため、次の2回の会合で豪中銀は50bpの引き上げには動かない、あるいは1回の会合または両方の会合で政策金利を据え置く可能性がある。
オーストラリアの第2四半期の消費者物価指数は予想ほど高くなかったため、豪中銀にとっては、あからさまなタカ派的姿勢から政策転換するために少し猶予が与えられた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、米消費者物価指数が9.1%上昇したこともあり、75bpの利上げを実施し、カナダ銀行(中央銀行)は先月、消費者物価指数8.1%上昇に呼応するように100bpの利上げを実施した。

2日に発表されたオーストラリアの6月の建築許可件数は前月比0.7%減と、予想(5.0%減)よりも減少率は大幅に縮小し、過熱感を示した前月の9.9%増という高い水準からは落ち着きを取り戻したように見える。
それ以前に発表されたオーストラリアの経済指標はほぼ好調で、6月の失業率は3.5%と、予想(3.8%)および前月(3.9%)よりも低く、数世代ぶりの低水準となった。
足元では、4日に6月の豪貿易収支が発表される。5月は157億豪ドルの大幅な黒字だったが、今回も堅調な輸出ぶりが確認できるかが注目されている。
豪中銀が9月と10月のいずれかの会合で25bp以上の利上げを実施するには、非常に力強く経済が成長している証左を示す経済指標が必要になると思われる。このままでは、米ドルに対する豪ドルの売り圧力はさらに強まる可能性がある。
豪ドル/米ドル チャート

資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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