FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
【サマリー】
- レジスタンスの水準が144.20台から142.00レベルへ切り下がってきた
- 下落局面での焦点は139.60台の攻防
- 10日線をもブレイクする場合は下落幅の拡大を警戒したい
・切り下がってきたレジスタンスの水準
日欧の中銀イベントを経てドル円(USDJPY)は137円台へと反落している。一方、ユーロドル(EURUSD)は21日移動平均線(MA)がレジスタンスラインとして意識されている。
※ドル円とユーロドルの短期的展望についてはこちらの分析レポートを参照。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | 1% | 1% |
週次 | 8% | -6% | -2% |
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 1% | -1% | 0% |
週次 | 11% | -8% | 4% |
これらの動きに影響され、ユーロ円(EURJPY)には新たな展開が見られる。
それは、レジスタンスの水準が切り下がってきたことである。
この点を日足チャートで確認すると、5月12日に安値132.66レベルを付けた後、ユーロ円は上昇トレンドを形成し144.20台を何度もトライしている。
しかし最後のトライとなった6月28日(高値144.28)以降、ユーロ円は下落トレンドへ転じ、短期レジスタンスラインが形成されつつある。
この過程で、昨日は142.00レベルがレジスタンスとして意識された。しかも日足ローソク足のかたちは上影陰線。高値圏での上影陰線は、相場の下落を暗示する。
7月5日の相場でも同じ展開が見られた。さらに6月からの動きまでを考慮すると、142.00レベルがサポートからレジスタンスへ転換するムードも出ている。
これまでのパターンとは若干違うが、RSIは売られ過ぎの「80」手前で低下していることも、ユーロ円の地合いの弱さを示唆している。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 3% | 0% | 1% |
週次 | 3% | -12% | -9% |
・139.60台の攻防
今日の東京時間にユーロ円(EURJPY)は、140.00レベルまで下落する局面が見られた。
欧州中央銀行(ECB)が0.5ポイントの利上げに踏み切り、かつ米金利に低下の圧力が強まっても、ユーロドルが21日線の突破に失敗し続けている状況を考えるならば、ユーロドルの反落リスクがくすぶる。
ドル円は137円台を維持してはいるが、米金利の上昇圧力が後退している状況では戻りが限られよう。
よって、目先のユーロ円は下値トライを警戒したい。
ユーロ円の下落幅がさらに拡大するかどうか?この点を見極める上で重要なチャートポイントが139.60レベルである。
日足チャートを確認すると、139.60を挟んで50日移動平均線(MA)と10日移動平均線(MA)が推移している。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)



・10日線のブレイクなら下落幅の拡大を警戒
また、1時間足で直近の動向を確認すると、半値戻しの水準が139.67レベルとなっている。
冒頭で述べたテクニカル指標の状況に加えて、トレンドチャネルを完全に下方ブレイクしている状況も考えるならば、欧州タイム以降にユーロ円の下落幅が拡大する可能性がある。その場合は、139.60台の攻防に注目したい。
なお、ユーロ円が10日線をもあっさりと下方ブレイクする場合は、さらに下値をトライする展開を想定したい。
このケースでは、短期サポートライン(5月12日の安値132.66が基点)のトライ&ブレイク、そして今月19日の分析記事で取り上げた136.70レベルのトライを想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。
ユーロ円のチャート
TradingView 1時間足(今月6日以降)