FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
・ECB理事会とユーロ売り
今週21日木曜日に、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。
事前にECBサイドがアナウンスしてきたこともあり、市場では11年ぶりの利上げに踏み切ることが織り込まれている。
また、ロシアーウクライナ紛争の長期化とそれによるEU経済への打撃(例えば欧州委員会はロシアがEUへの天然ガスの供給を止める場合、域内のGDPが最大で1.5%押し下げされる可能性を示唆-Bloomberg)も考えるならば、ECBは米連邦準備制度理事会(FRB)のような積極的な利上げを行える状況にはない。
よって、今回のECBイベントでユーロ買いの圧力が高まっても、一過性の現象と想定しておきたい。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 11% | -21% | -3% |
週次 | 5% | -2% | 3% |
・ユーロ円 上昇トレンド維持なら21日線の突破が焦点に
ユーロドル(EURUSD)は、1.02レベルが新たなレジスタンスポイントの候補に浮上している(詳細についてはこちらのレポートを参照)。
一方、ユーロ円(EURJPY)は、昨日の上昇を止めた21日移動平均線(MA)がレジスタンスラインとして意識される可能性が出てきた。
ユーロ円は現在、テクニカルの面では短期レジスタンスラインの突破に成功し、モメンタムは上昇トレンドかつゼロラインを上抜けている。これらの動きは、ユーロ円の地合いの強さを示唆している。
さらに50日移動平均線(EMA)がレジスタンスからサポートへ転換しつつある状況も考えるならば、ユーロ円は調整の反落を挟みながら上値トライが続く可能性がある。
ユーロ円が上昇トレンドを維持する場合、注目すべきテクニカルラインは、昨日の上昇を止めた21日移動平均線(MA)である。
この移動平均線を完全に突破する場合は、142.00レベルが次の上値ターゲットとして浮上しよう。
しかし、ユーロ円が連続して21日線で上昇が止められる状況が確認される場合は、50日線のトライ&ブレイクを予想する。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月下旬以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -5% | -6% |
週次 | 11% | -5% | -2% |
・ユーロ円 下落の局面では136.70-137.10ゾーンの維持が焦点に
ユーロ円(EURJPY)が21日線の突破に失敗し続ける場合、グローバル市場(特に米国市場)ではリスク回避相場の状況にあることが予想される。
その勢いが強い場合、ユーロ円はあっさりと50日線を下方ブレイクするだろう。
この展開で注目したいのが、137.00前後の攻防である。
137.10レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。
7月に入り137.00レベルは、サポートポイントとして意識されている。
そして136.70レベルは、重要なチャートポイント(サポート/レジスタンス)として意識される展開が見られる。ユーロ円の下落幅が拡大する場合は、サポートポイントとして再び意識される可能性がある。
136.70-137.10をサポートゾーンと想定し、ユーロ円が下落してもこのゾーンで反転する場合は、137.00レベルを下限としたレンジ相場へシフトする可能性が出てくる。
ユーロ円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
テクニカル分析入門
サポートとレジスタンス
サポート/レジスタンスについて学ぼう!