S&P 500 – テクニカル分析見通し
- S&P 500指数の上昇基調への動きは失速し始めているように見える
- 今のところ、上昇トレンドが反転したことを示す証拠はない
- 今後の見通しと注目すべき指標とは?
S&P 500 テクニカル分析見通し - 中立
9日の米国株急落は、S&P 500種指数の1カ月にわたる戻り基調に亀裂が入り始めたことを示唆している。
この日の下落は、10月中旬から続いてきた高値圏での高値と安値の切り上げパターンを中断させた(崩壊はしていない)。つまり、今週の高値3,859は、11月上旬の高値3,912と比較すると、高値は切り上がっていない。高値圏での高値と安値の切り上げパターンは上昇トレンドを意味し、パターンが途切れるということは、トレンドの転換を示唆している可能性がある。先週の安値3,698を下回れば、このパターンが途切れたことが確認され、短期トレンドが上昇から横ばいに転換したことが示唆される。
S&P 500時間足チャート
資料:TradingView
これまでのところ、S&P 500種株価指数は主要なサポート水準を維持しており、9月末を起点とした上昇チャネル内にもとどまっている。現在、先週の安値3,698からそれほど離れていない水準に位置する重要な200時間移動平均線(現在3,740付近)を試している。このサポート付近から反発し、高値と安値の切り上げパターンと上昇トレンドへの動きを再開する可能性は十分にある。そのためにはS&P 500種指数は3,698でサポートを維持するのに加え、まずは今週の高値3,859、そして最終的には11月初旬の高値3,912を突破する必要がある。
S&P 500月足チャート
資料:TradingView
しかし、先週のサポート3,698を下回ると、10月の安値3,492を再び試す確率が高まる。さらに、大まかに200週移動平均線の付近にある3,492を決定的に下回れば、中期的な弱気トレンドの再開となるだろう。
短期より長めな視点で見ると、指数は2022年初頭から続く下降トレンドチャネル内にとどまり続けると見ている。最近の戻り基調にもかかわらず、下降モメンタムは持続されており、指数の見通しは下向きを維持する。10月の底値3,491を割り込むと、パンデミック前の高値3,394に接近し、2020年9月の安値3,209に向かって下落する可能性がある。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著