日経平均(NKY)、日本株 - テクニカル分析見通し
- 日経平均株価は数カ月間、横ばいで推移している
- 日経平均株価の全体的なトレンドは上向き
- 注目すべき重要な水準とは?



日経平均株価のテクニカル分析見通し - 中立
日経平均株価の過去2年間の値動きは、数年にわたる上昇トレンドの反転というよりも、むしろ下げが一服している動きのように見える。
昨年は他の主要株価指数が軒並み軟調だったにもかかわらず、日経平均株価は底堅く推移し、これは近年、形成されたトレンドの反映でもある(月足チャート参照)。主要なダブルボトム(2003年と2008/2009年の安値)のパターンは2015年に、数年にわたる弱気相場を反転させる下地となった。長期チャートではその後、高値圏で高値と底値を切り上げる展開となり、上昇トレンドが形成された。
日経平均 月足チャート

資料:TradingView
とはいえ、20年にわたる弱気相場からの反転ということもあり、日経平均の上昇トレンドは不安定だ。しかしパンデミックによる急落や2022年の幅広い相場下落など、金融市場のボラティリティが高まった時期だったにもかかわらず、日経平均は主要なサポート水準を維持した。
週足チャートをよく見てみると、200週移動平均線と2018年高値が位置する強力なサポートエリアを上回って推移している。より短期な時間枠のチャートでは、まだ確かではないが、上昇モメンタムに何らかの改善の兆しが見られる。この点に関して、昨年8月高値の29,200をやや下回る水準に位置する、2022年初頭を始点とする水平線という当面のレジスタンス(28,500前後)を上抜ければ、長期的な上昇トレンドが回復し、まずは2021年高値30,795に向かって上昇する可能性が出てくる。これを上抜ければ、1990年から2008/2009年にかけての下落と1990年半ばの高値のリトレースメント78.6%の水準が含まれる32,000-33,350に向けて上昇する可能性がある。
日経平均 週足チャート
資料:TradingView
ファンダメンタルズの観点からは、日銀(BOJ)の超金融緩和政策と円安を背景に、日本株式はここ数カ月、底堅く推移している。さらに、日本経済は、個人消費が回復し続けている。しかし、加速するインフレを抑制するために日銀が積極的な利上げに踏み切れば、日本の株式にはマイナスに働く可能性がある。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著