※2023年4月14日16時11分更新
S&P 500、ナスダック100見通し
- ナスダック100指数とS&P 500種指数の四半期チャートには強気の動きが見られる
- 両指数とも昨年8月の高値を目指す態勢を整えている
- 今後のトレンドと注目すべき重要な水準とは?



ナスダック100指数とS&P 500種指数は上昇モメンタムが徐々に改善している。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが近く一時停止されるとの見方がある中、それぞれ昨年8月の高値に向けて上昇する可能性が高まっている。
S&P 500種株価指数とナスダック100指数の1-3月期のパフォーマンスが2022年10-12月期を上回った(四半期チャートでは2022年に下落トレンドが始まって以来初めて)ため、米国株にとっての最悪期が終わる可能性が高まっている。両指数は、筆者が1月に注目したそれぞれの強気局面を維持している。さらに、2月から3月にかけての下落は、強気局面での調整売りのためであり、上昇トレンドの反転ではなかった。
ナスダック100 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview
13日に発表された3月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に低下し、物価上昇圧力は緩和されているという見方が強まった。これは、12日発表の米消費者物価指数(CPI)が緩やかな伸びとなり、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がハト派寄りにトーンを和らげたことに続くもので、米連邦準備制度理事会(FRB)による現在の引き締めサイクルが終わりに近づいているとの観測を高めた。CMEグループが公表するフェドウォッチによると、FRBが5月のFOMC会合で金利を据え置く可能性を市場は34%程度と織り込んでいる。
S&P 500 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview
ナスダック100:8月高値を目指す展開
前回の記事で取り上げたように、ナスダック100指数が2月の高値12,880を上方ブレイクしたことで、昨年8月の高値13,720を再び試す公算が大きくなった。2022年末には200週移動平均線が位置していた大底付近から反発した経緯がある。週足チャートでは移動平均収束拡散手法(MACD)指標が2022年初頭以来約14カ月ぶりにプラス圏入りしたことは、ナスダック100指数のトレンドが転換したことを示すサインと言える。
ナスダック100 四半期チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview
しかし、中期的に下降圧力を抑え、反転するためには昨年8月の高値、89週移動平均線、そして週足チャート上の一目均衡表の雲上端が収束した重要な天井を上方ブレイクする必要がある。
ナスダック100 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview
S&P 500: 上昇トレンドを再確認
S&P 500種指数が13日に1カ月ぶりの高値を付けたことで、上昇トレンドが確実なものということが再確認された(トレンド/モメンタム指標に基づき色分けされたローソク足チャートで指数が強気局面にあることを確認されたい)。前回の記事で指摘したように、3月上旬の高値4,078というレジスタンスをブレイクアウトしたことで、昨年8月の高値4,325を目指す動きとなる確率が高まっている。昨年8月の高値の上には、2月高値4,195というもう一つのハードルも控えている。
S&P 500 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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