FXテクニカル分析:ユーロ円(EURJPY)
・144.00が目先のレジスタンスポイントに
ECBは理事会9日に開催した理事会で、7月の0.25ポイント利上げと量的緩和を終了(7月1日)する方針を示した。また、インフレの動向次第では9月の理事会で大幅な利上げ(0.5ポイント)に踏み切る可能性も示唆した。
今回のECBイベントに対してユーロ円は下落で反応。市場参加者は「タカ派のECB理事会」を期待していたことをうかがわせる動きとなった。
昨日の反落ではっきりしたことは、「144.00」が新たなレジスタンスポイントの候補に浮上してきたことである。2日連続で上値が抑制された状況は、市場参加者が144.00以上でのユーロ買いにためらっていることを示唆している。反発の局面で3度上昇が止められる場合は、一時的な調整相場(下落幅の拡大)を警戒したい。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -3% | 13% | 6% |
週次 | 31% | -9% | 5% |
・ユーロ円とRSI
昨日の反落ではっきりしたことがもうひとつある。それは、ユーロ円が反落するタイミングを考える時は、RSI(14日間)が有効な指標のひとつとなっていることである。
今年の2月以降、RSIが買われ過ぎの水準「70」レベルまで上昇すると、相場が下落するパターンが見られる。また、3月29日以降は、75前後でRSIが反転するトレンドパターンが形成されている。現状、MAをブレイクする局面にはないが、それが確認できる場合は、一時的なユーロ円の下落幅拡大を警戒したい。
ユーロ円のチャート
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推薦者: Junichi Ishikawa
・140.00レベルの維持
過去3度の動きを確認すると、RSIが「70以上へ上昇→70以下へ低下」のパターンが現れた後、MAを下方ブレイクする展開が確認できる。現時点でその状況は発生していないが、MAの下方ブレイクが確認できる場合、ユーロ円は新たなサポートポイントを見極める局面へとシフトしよう。
上のチャートに移動平均線とフィボナッチ・リトレースメントを追加すると、その候補がいくつか浮上する。
ひとつは、今日現在142.16前後で推移している5日移動平均線(EMA)である。このラインは5月下旬以降の上昇トレンドを支えているサポートラインである。今日の東京時間は、5日線でサポートされている。
5日線を下方ブレイクする場合、次の焦点として浮上するのが 「140.00」 である。この水準は、4月21日にレジスタンスポイントとして相場の上昇を一度止めた経緯がある。節目のポイントでもあるだけに、レジスタンスポイントからサポートポイントへの転換は、ユーロ円の反発シグナルとして想定しておきたい。また、140.00のすぐ下の水準139.82レベルは、直近高安の38.2%戻しにあたる。テクニカルの面でも140.00レベルは重要なサポートポイントになり得る。
ユーロ円が140円以下の攻防となる場合、次の焦点は138.50レベルの攻防となろう。この水準は、直近高安の半値戻しの水準(138.45レベル)にあたるだけでなく、4月下旬にサポートポイントとして、5月9日にはレジスタンスポイントとしてそれぞれ意識された経緯がある。
ユーロ円の下落幅が拡大し138.50レベルをも完全に下方ブレイクする展開となれば、124.39(3月7日安値)を基点とした短期サポートラインの攻防が浮上しよう。このラインの攻防は、ユーロ円のトレンドが転換するかどうか?を見極める攻防となろう。
ユーロ円のチャート
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