ユーロ円 目先の焦点と注目のチャートポイント
【サマリー】
- ユーロドルは短期レジスタンスラインの突破に失敗し再び下落基調へ
- ユーロ円はユーロドルの動きに追随し 144円のブレイクに失敗
- 89日線をブレイクする場合はユーロ円の下落幅拡大を警戒
- 注目しておきたいチャートポイントについて
・短期レジスタンスラインの突破に失敗したユーロドル
9月28日に英中銀(BoE)は、臨時の国債購入を発表し実施した。BoEの動きを受け外為市場ではポンド買いの圧力が高まった。
ポンド買いに連動しユーロの買い戻し圧力も高まり、ユーロドル(EURUSD)はパリティ水準(1.0)手前まで急反発した。
しかし、2日連続で短期レジスタンスラインの突破に失敗すると、一転して「ユーロ安/米ドル高」の展開となり、0.9860レベルはサポートポイントへの転換に失敗している。
ユーロドルのチャート
Trading View 日足(今年6月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | -4% | -8% |
週次 | -13% | 35% | 0% |
・ユーロドルに追随するユーロ円 144.00レベルが強烈なレジタンスに
そしてユーロ円(EURJPY)は、ドル円(USDJPY)ではなく、ユーロドルのトレンドに追随する展開となっている。
10月4日の分析レポートでユーロ円を取り上げた際、上昇幅が拡大しても144.00レベルで反落するリスクがあることを指摘した。
この予測どおり、ユーロ円は今月4~5日に144.00レベルで上値が止められ反落。そして、現在は142円を下方ブレイクする局面が見られる。
今年の6月以降、144.00レベルは強烈なレジタンスポイントとして意識されている。
9月26日以降に発生した反発相場でも、あらためて144.00レベルでの売りの強さが確認できた。
ゆえに、「さえない米経済指標→米金利の低下→米ドル売り→ユーロドルの反発」に追随しユーロ円が再び上昇しても、144.00レベルで反落する展開を意識しておきたい。
ユーロ円のチャート
Trading View 日足(今年6月以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -23% | 3% | -2% |
週次 | -34% | 32% | 15% |
・9月の米雇用統計とユーロ円の展望
外為市場の参加者の関心は、日本時間21時30分に発表される9月の米雇用統計に集中している。
米雇用統計のデータ
米労働省とブルームバーグのデータより作成 / 月次(2021年以降)/ 平均時給は前年比
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現在の米ドル相場は、米債市場にらみの状況にある。
その米債市場は経済指標にらみの状況にある。
ゆえに強い米雇用統計の内容が確認される場合は、「米金利の上昇→米ドル高」の展開が予想される。また、「米金利の上昇→米株安→米ドル高」の圧力も高まることが予想される。
よって、強い米雇用統計では「ユーロドルの下落幅が拡大→ユーロ円の下落幅も拡大」の展開が予想される。
このケースでの焦点は、節目の140.00付近で推移している89日線の維持である。すぐ上の140.36レベルは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(1時間足チャートを参照)。
ユーロ円が半値戻しの141.07レベルをあっさりと下方ブレイクする場合は、140円台の維持(89日MAの維持)が焦点として浮上するだろう。
ユーロ円が89日MAをも下方ブレイクする場合は、来週以降、短期サポートラインもしくは先月26日に相場の下落を止めたフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準137.32レベルを視野に下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。
なお、短期サポートラインは来週、137.60レベルから138.00レベルの間で推移する。
ユーロ円のチャート
Trading View 日足(今年2月以降)
ユーロ円のチャート
Trading View 1時間足(9月26日以降)