FXテクニカル分析:ドル円(USDJPY)
・スイスフランも円高基調へ
6月以降の円相場のパフォーマンスを確認すると、対米ドルでは相変わらず下落基調(米ドル買い / 円売り)にある。
一方、主要なクロス円―対欧州通貨(ユーロとポンド)、そして豪ドル(資源国通貨)では、円高基調への転換が鮮明となっている。
クロス円の中で筆者が特に注目しているのが、対スイスフラン(CHFJPY / 赤ライン)での動きである。
6月のリスク回避相場に加えて、スイス国立銀行(SNB)による予想外の利上げ(政策金利を0.5ポイント引き上げマイナス0.25%とした金融引き締め政策)がサプライズとなり、スイスフランは上昇基調の米ドルに対して約5.8%上昇する局面が見られた(6月15日安値0.9953→6月29日高値1.053)上昇する局面が見られた。
一方、現在のスイス円のトレンドを確認すると、他のクロス円に連動し低下基調へ転じる兆しを見せている。
リスク回避の局面では、“安全通貨”として見られやすい円とスイスフランだが、円買いの圧力が勝っている現在の状況を考えるならば、過去に見られたトレンドパターン「リスク回避の円買い」が、クロス円を中心にさらに強まる可能性を警戒しておきたい。
円相場のパフォーマンス
基準日:2022年5月31日 / 7月6日時点



・ドル円への影響
米国の債券市場では、金融引き締め政策よりも将来の景気後退の方が強く意識され、長期金利には低下の圧力が高まっている。
このタイミングでのクロス円の円高基調を考えるならば、ドル円(USDJPY)は、不意打ちのような下落幅の拡大局面に直面するリスクがある。
アメリカ長期金利のチャート
TradingView 日足(今年5月下旬以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 12% | -5% | 3% |
週次 | 21% | -1% | 9% |
・ドル円のチャートポイント①:21日線と23.6%戻しの維持
米ドル高トレンドにサポートされ、ドル円(USDJPY)は135円台で底堅さを維持している。
現在の米長期債利回りの動きはドル円の上昇を抑制する要因だが、リスク回避の米ドル買いが欧州通貨を中心に高まっている状況を考えるならば、調整の反落程度では、サポートラインとして意識されている21日移動平均線(SMA / 今日現在135.20台)または135.00レベルで反転する展開を想定しておきたい。
米国債利回りの低下幅が拡大しドル円が135円を下方ブレイクしても、リスク回避の米ドル買いが続く限りは、レジスタンスからサポートへ転換している134.50レベルで反転する展開を予想する。この水準は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%にあたる。
だが、上で述べたとおり、今はクロス円を中心に円高基調にある。米ドル売り(米国債利回りの低下幅拡大)と円買い(リスク資産の急落)が同時に合わさる局面では、一時的によせ134.50を下方ブレイクする可能性があるため要注意。
ドル円のチャート
TradingView 日足(今年5月以降)
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・ドル円のチャートポイント②:136.00と136.70の突破
ドル円(USDJPY)の上昇局面では、136.00レベルの突破とその水準の維持が焦点となろう。
今月に入り、136.00レベルがレジタンスポイントとして意識されている。
今日の東京時間も136.13レベルで上値が止められた。この水準は、直近高安のフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準(136.16)にあたる。
ドル円が136円台へしっかりと乗せてくる場合、次の焦点は136.70レベルのトライ&ブレイクである。ローソク足の実体ベース(日足)では、この水準(136.70レベル)の突破に失敗し続けている。
フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準136.53レベルの突破は、136.70トライのシグナルと想定しておきたい。
ドル円が136.70レベルを完全に突破する場合は、137.00の再トライが焦点として浮上しよう。
ドル円のチャート
TradingView 1時間足(6月21日以降)