FXテクニカル分析:ポンド円(GBPJPY)
・ポンドドルとドル円の影響力
今年の4月下旬以降、ポンド円は売り買いが交錯する展開となっている。
下のラインチャートを確認するとポンド円、ポンドドルそしてドル円はいずれも今年の3月以降、大きく動いていることがわかる。そして一見すると、ポンド円はドル円の動きに連動しているように見える。
ポンド円、ポンドドル、ドル円のチャート
日足(年初来)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 17% | 1% | 5% |
週次 | 9% | -3% | 0% |
しかし、3通貨ペアの相関係数を確認すると、ポンドドルの影響の方が若干ながら大きいことがわかる。そのポンドドルは現在、21日移動平均線(EMA)で反発が止められ、1.24レベルがレジスタンスポイントとして意識されるムードが出始めている。この状況でドル円が直近高値135.59レベルの突破に失敗し続ける場合は、ポンド円の下落を警戒しておきたい。
各通貨ペアの相関係数
対数差分で計算(基準日:2020年2月28日) / データ数:81
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -11% | 13% | -1% |
週次 | -13% | 17% | 0% |
だが、黒田日銀の緩和スタンス継続を考えるならば、短期的にドル円の下落幅は限定的となることが予想される。よって、ドル円の堅調地合いがポンドドルの下落リスクを相殺することで、ポンド円はフィボナッチで示した各水準での反転を想定しておきたい。リトレースメントとプロジェクションの水準―50%と61.8%はともに近い水準にあり、かつ6月の反落相場を止めた経緯がある。
ポンド円の下落幅が拡大することで(このケースではドル円の下落幅が拡大していることが予想される)、上のフィボナッチの水準をことごとく下方ブレイクする場合は、5月に相場をサポートした158.00および短期サポートラインでの反転を意識したい。
上で指摘したテクニカルポイントでポンド円が反転するかどうか?の判断材料としてもうひとつ注目したい指標が、マネーフローインデックスである。年初来からのトレンドパターンを確認すると、「売られ過ぎ」の水準30前後まで低下すると、ポンド円が反転するパターンが見られる。
ポンド円のチャート
TradingView 日足(今年2月以降)
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・166.00-65のゾーン
一方、ポンド円が上昇基調にある局面で注目すべきチャートポイントは、166.00-65のレジスタンスゾーンである。1時間足で見ると、ともにレジスタンスポイントとして意識されていることがわかる。特に後者の166.65レベルはテクニカルの面で直近高安の76.4%水準にあたり、かつ今月9日から10日にかけてサポートからレジスタンスのポイントへ転換している(赤矢印を参照)。
このレジスタンスゾーンの突破に成功する場合は、168.00および全戻しの水準168.73レベルのトライが次の焦点として浮上しよう。
ポンド円のチャート
TradingView 1時間足(今月6日以降)