メキシコペソ円(MXNJPY)見通し:メキシコ中銀、政策金利見通しに変化は?
2023 11 06, 午前 06:00 +00:00メキシコで金融政策決定会合が9日に開催される。政策金利の据え置きが予想されているが、今後の金利見通しに注目。年初来上昇を続けてきたMXNに対するヘッジファンドの動きに7月以降変化が。このような中、メキシコペソの対円での今後の見通しとは
サマリー
- メキシコ中銀 金融政策決定会合
- MXNのヘッジファンドポジション
- メキシコペソ円(MXNJPY)の今後の見通し
メキシコ 金融政策決定会合
メキシコ中央銀行は金融政策決定会合を9日に開催する。政策金利の据え置きが予想されているが、インフレ鈍化が進展する中、今後の政策金利の見通しに注目である。一部の中央銀行は、インフレ鈍化に伴い、利上げ停止から利下げに転じている。金融市場では、当面政策金利を据え置くことが予想されているが、近い将来の利下げを示唆した場合、メキシコペソ(MXN)安が進展する可能性がある。一方、当面の政策金利据え置きを示唆した場合、既に金融市場で予想されていることから、MXNに与える影響は限定的であろう。
資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。
MXNのヘッジファンドポジション動向
ヘッジファンド等(投機筋)は、MXNに対して強気の見通しであり、夏にかけてロングポジション(メキシコペソの買い持ち)を積み増し、MXN高圧力になっていた。
その後、ヘッジファンド等はメキシコペソ高に伴う利益確定を開始している。2023年7月以降ロングポジションを解消(メキシコペソの買い持ちを解消、MXN安要因)している。
依然として、ロングポジションの削減傾向が続いており、ヘッジファンドがメキシコペソに対する強気見通しを後退、もしくは利益確定を続けていることを示している。そのため、ヘッジファンドのポジション動向はメキシコペソにとってマイナスであるが、テクニカル面も踏まえたメキシコペソの対円での見通しとは。詳しく見てみたい。
資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
メキシコペソ/円(MXN/JPY)の見通し
メキシコペソ円は、7月13日から8月28日の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準8.509円を上方ブレイクし、メキシコペソ高円安トレンドへ転換している。また、RSIは50を超えているものの、MXNが買われ過ぎであることを示す70を下回っており、一段のMXN高JPY安の余地がある。
テクニカル面ではメキシコペソに強気シグナルが点灯している一方、ヘッジファンドのポジションは弱気シグナルを出していることに加え、金融政策決定会合はペソ安イベントになり得ることから、メキシコペソ円は上下双方に動く展開を想定したい。
メキシコペソ円が上昇した局面では、9月20日高値8.698円を上方ブレイクできるかに注目。ブレイクに成功した場合、メキシコペソ円の上昇圧力が強まり、年初来高値8.777円への上昇が視野に入る。
一方、メキシコペソ円が下落した局面では、フィボナッチ38.2%水準8.509円がサポート転換しているかに注目。下方ブレイクした場合、メキシコペソ円は、フィボナッチ8.343円への下落が視野に入る。
MXNJPY日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
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