金・銀のテクニカル分析見通し:金はトレンド反転が視野に、銀のモメンタムは失速。金、銀相場の行方は?
2022 10 28, 午後 08:00 +00:00金相場、銀相場:テクニカル分析見通し
- 金相場は、RSIが強気への反転を示唆しており、ダブルボトムパターンからのブレイクアウトが視野に入ってきた
- 銀相場は、RSIが50を下回る中、100日単純移動平均線のレジスタンスで上値を抑えられ、下落
金相場のテクニカル分析見通し:強気
金先物相場は、先週金曜に約1.2%下落するまでは、週間ベースで小幅な上昇となりそうな勢いだった。先週末の下落により、先々週から0.78%上昇した分は帳消しとなり、先週金曜の米国での取引時間帯で価格は、先週の始値1,694.69をわずかに下回る水準で取引されていた。これは、週足で見ると2020年4月以来の安値水準となり、3月のスイングハイ2,070.42から20%超下落した水準となる。
ダブルボトムのパターンは、3月に始まった下降トレンドを反転する可能性を示唆している。9月と先週金曜の安値が底値となり、10月初旬のスイングハイが高値となっている。このパターンを確定するためには、レジスタンスをブレイクする必要があり、今週相場が上昇すれば、レジスタンスを試す展開も視野に入ってくる。しかし、トレンドラインは下降しているため、このパターンの形成を阻む可能性がある。
とはいえ、レジスタンスを上抜けた場合、ブレイクアウトする可能性が高い。底値とレジスタンス水準との距離で計算されるブレイクアウトターゲットは、1,844の水準に位置している。RSI(相対力指数)の強気なダイバージェンスは、上昇の勢いが増していることを示唆しており、ダブルボトムをブレイクアウトできる可能性を高めている。このブレイクアウトは確定を待つ必要があるが、テクニカルな見通しは上向きに傾いている。
金相場 日足チャート
資料:TradingView
銀相場のテクニカル分析見通し:中立
銀先物相場は、先週金曜に2%超下げたため、週間ベースでマイナスに転じた。しかし、先週の6.38%の上昇分のうち半分以上はそのままであり、月間ベースではプラス圏にとどまっている。この1年間、銀相場は下降ウェッジパターンを形成してきたが、レジスタンスとなっているウェッジ上辺ラインの水準は、現在の価格から6%程度上に位置しているため、短期的なブレイクアウトの可能性は低いだろう。
また、100日単純移動平均線(SMA)およびフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準は、先週水曜から金曜にかけて、上値を抑制した。先週サポートとして機能していた18の水準付近まで下落する可能性がある。RSIは、日足で50を下回り、上昇の勢いが弱まっていることを示している。 予想外に上昇した場合は、ウェッジ上辺ラインが意識されるだろう。
銀相場 日足チャート
資料: TradingView
--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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