※2023年4月20日13時15分更新。
AUD、NZD、インフレ、AUD/NZD、AUD/JPY、金融政策、資源国-トーキングポイント
- ニュージーランドのインフレ鈍化を確認
- 豪州・ニュージーランドの10年利回り格差は過去最大
- 豪ドル高NZドル安、豪ドル高円安を見込む



NZ中銀も他の中銀を追随?
ニュージーランドにてCPIが発表され、前年と比べた伸び率は前回7.2%から6.7%と市場予想を上回る鈍化を示した。エネルギーや食料品等の変動の大きい要因を除いたコアインフレ率も伸び率が鈍化しており、ニュージーランド経済の基調的インフレ圧力が和らぎつつあることを示唆する結果となった。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は前回の金融政策決定会合で0.5%の大幅利上げを実施し、主要中銀の中で金融政策スタンスが際立っている。一方、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は前回の金融政策決定会合で主要中銀の中でカナダに次いで利上げ停止を決定している。ただし、今週発表になったRBAの会合議事要旨では前回会合で利上げが活発に議論されていたことが明らかになっている。中央銀行の直近の政策決定には大きな乖離があるものの、金融市場における政策金利織り込みは両国で大きな違いはないが、豪ドル/NZドル及び豪ドル円の今後の見通しは?
豪ドル/ニュージーランドドル:豪ドル高NZドル安
NZ中銀のタカ派スタンス等を背景に豪州とニュージーランドの10年国債利回りの格差は過去最大水準に拡大している。中央銀行の金融政策スタンスの乖離が縮小してくるにつれ、10年利回り格差が縮小し、豪ドル高NZドル高の進展を見込む。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
豪ドル/円:豪ドル高円安へ
今週発表された中国のGDP等の経済指標は中国の経済再開(リオープン)が順調に進んでいることを示唆した。
中国経済指標(4月18日公表)

経済的に結びつきの強い中国景気の回復は豪ドル高に寄与しよう。21日発表の日本のインフレ率に注視する必要があるものの、来週開催される植田日銀総裁のもとでの初の日銀金融政策決定会合は現状維持を見込む。そのため、円キャリー取引が進展、高金利通貨の代表である豪ドルが上昇する可能性がある。テクニカルにはダブルボトムを形成しており、同パターンの形状から豪ドル高円安が進展、93円が視野が入る。
豪ドル/円日足チャート

資料:Trading Viewより作成
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著