ユーロドルの取引戦略/売買を仕掛けるポイントについて
【サマリー】
- ユーロドルは下落トレンドが終焉するかどうか?の分岐点にある
- 1.06レベルを完全に突破する場合はさらに上値トライの展開が予想される
- 一方で相場には過熱感もあり一度反落する展開も意識しておきたい
- ユーロドルの売買を仕掛けるポイントについて
短期の展望とチャートポイント:トレンドの分岐点に差し掛かるユーロドル
レジスタンスラインと52週MAの攻防
2021年以降、ユーロドルは1.23前後で何度も上値が止められ、その年の5月下旬から下落幅が拡大し始めた。そして、今年9月26日の安値0.9536レベルまで下落し続けた。
しかしユーロドルは現在、長きに渡って続いてきた下落トレンドが終焉するかどうか?の分岐点にある。
その分岐点とは、1.06レベルである。
この水準には現在、2021年5月24日の高値1.2266レベルを起点としたレジタンスラインが推移している。そしてこのラインのすぐ下には、昨年の6月下旬以降、一度も突破できずにいる52週移動平均線(MA/1.05541)が推移している。
テクニカル面で重要な分岐点にある1.06レベルを完全に上方ブレイクすれば、ユーロドルはさらに上値をトライすることが予想される。
一方、ウィリアムズ%R(14週)では相場の過熱感を示すトレンドが続いている。9月26日の安値0.9536レベルからすでに11%超上昇している状況も考えるならば、今のユーロドルはさらなる上値トライと調整の反落リスクの両方を意識する局面にある。
ユーロドルのチャート
チャート:Trading View 週足(2020年7月以降)
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売買のポイント:ユーロドルのロング(ユーロ買い/米ドル売り)のケース
今日のユーロドルが上昇するにせよ下落するにせよ、カタリストは11月の米消費者物価指数(CPI)となろう。米CPIと外為市場の展望については今日のIG為替レポートを参照していただきたい。
ここでは、ユーロドルの売買を仕掛けるタイミングにフォーカスするが、ユーロドルのロング(ユーロ買い/米ドル売り)を仕掛ける場合は、1.06レベルの突破を確認したからにしたい。
より安全策を取るならば、1.06レベルもしくは9日以降レジタンスとして意識されている1.0580-90ゾーンのサポート転換を確認してから成行きのロングを狙いたい(一番下の15分足チャートを参照)。
インフレ懸念の後退で米金利の上昇に一服感が漂い、ユーロドルのモメンタム(12日)が再び勢いづくムードにあることも考えるならば、1.06台へ乗せてきた後は1.07レベル、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0746レベル、または1.08レベルまで一気に上昇する可能性がある。
しかし、明日に連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることを考えるならば、ユーロドルの上昇が短期で終わる可能性もあるため、どの水準でロングポジションをアンワインド(解消)するかは、1.06レベルを突破した後の相場の勢いで判断するしかない。
ユーロドルのチャート
チャート:TradingView / 日足(2022年以降)
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -1% | -4% | -3% |
週次 | 4% | -10% | -5% |
売買のポイント:ユーロドルのショート(ユーロ売り/米ドル買い)のケース
一方、11月の米生産者物価指数(PPI)に続き米消費者物価指数(CPI)も予想外の伸びを示せば、ユーロドルは反落する展開が予想される。
このケースでは、ユーロドルの上値の水準が切り下がる局面で成行きのユーロ売り/米ドル買い(ユーロショート)を仕掛けたい。
テクニカルの面でユーロショートを仕掛けるならば短期サポートラインの下方ブレイク、または相場をサポートする局面が見られる10日線(MA/1.0510レベル)の下方ブレイクを確認したい。
明日にFOMCを控えていることを考えるならば、ロング戦略と同じくショートのポジションも利益が出るタイミングですぐにアンワインド(解消)することを心掛けたい。
ユーロドルのチャート
チャート:TradingView / 15分足(12月7日以降)