ユーロ円(EURJPY):目先の展望と取引戦略
【サマリー】
ユーロ円の展望: 日銀イベント次第で上下どちらにも振れる可能性あり
上昇する予想変動率
今日のIG為替レポートでは、ユーロ円(EURJPY)について取り上げた。今回は、テクニカルの面でユーロ円の地合いの弱さを指摘した(詳細はこちら)。
一方、下の日足チャートを見ると、ユーロ円のリスクリバーサル(25デルタ/1ヶ月)ではユーロプットのトレンドが後退していることがわかる。また、短期サポートラインの維持に成功し、トライアングル(三角保ち合い)のムードが漂っている。
このような状況の中で注目したいのが、予想変動率(1ヶ月)の動きである。先週の半ばから急速に上昇し、昨秋の高水準15%を突破する状況にある(執筆時点で15.75%前後)。
今日のIG為替レポートで指摘したテクニカルの動向(地合いの弱さを示す動向)、リスクリバーサルのトレンド(ユーロプットの勢いが衰えている状況)、そして何よりもユーロ円を含めた円相場全体のトレンドが明日の日銀イベントに左右されることを考えるならば、今のユーロ円は上下どちらにも大きく動く可能性があることを意識しておきたい。
ユーロ円のチャート
チャート:Bloomberg / 日足(22年8月~)
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ロング戦略:ユーロ買い/円売り
明日の日銀イベント後にユーロ円のトレードを仕掛けることを前提とする場合、ロング戦略(ユーロ買い/円売り)、ショート戦略(ユーロ売り/円買い)を問わず、トレンドフォローの成行きを軸としたトレードを意識したい。
ユーロ円が直近高安の38.2%の水準139.86レベルを一気に上方ブレイクする場合は、成行で短期買い(ユーロ買い/円売り)を狙いたい。しかし、重要イベントでの急騰は反落リスクを伴う。ゆえに、短期の利確を狙いたい。
ユーロ円が半値戻しの水準140.43レベルおよび21日線(MA/今日現在140.60レベル)の突破に成功する場合も、同じく短期の成行買いを狙いたい。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -9% | 0% | -3% |
週次 | 17% | -22% | -11% |
ショート戦略:ユーロ売り/円買い
一方、明日の日銀イベントを受けて円買いの圧力が高まる場合は、今月3日の安値137.39レベルを下方ブレイクする可能性がある。
上のケースでは、短時間で下落幅が拡大することが予想されるため、迅速な成行売りが求められる。また、調整の反発も入ることが予想されるため、ロング戦略と同じく短期の利確も意識したい。
指値売りの場合は、半値戻しの水準140.43レベル、21日線、200日線(MA/今日現在140.75レベル)の各テクニカルポイントで反落することを前提で仕掛ける手がある。
200日線を上方にブレイクする場合は、142円台を視野に上昇幅が拡大するリスクがある。このためストップ(IG証券のノースリッページ注文)を付加してリスクヘッジをしておきたい。
また、ユーロ円が200日線を完全に上方ブレイクする場合は、ショート戦略から成行のロング戦略へ転換するという手も意識しておきたい。このケースでは、短期レジスタンスラインの突破が焦点となろう。
ユーロ円が、短期レジスタンスラインをも突破する場合は、2度相場の上昇を止めた142.90レベルまでユーロ円の上昇幅が拡大する可能性が出てくる。
ユーロ円のチャート
チャート:Tradingview / 日足(22年12月~)