※2023年5月11日17時23分更新
ドル、ユーロ/ドル、ユーロ、中国CPI、英ポンド/ドル、英中銀、円、ユーロ/ドル、ECB - トーキングポイント



4月の米消費者物価指数(CPI)総合指数が前年同月比4.9%上昇となり、事前予想および前月(ともに同5.0%上昇)にわずかに届かず、ドルは10日、下落した。CPIコア価格指数の伸び率は前年同月比5.6%と、予想と一致した。
金利市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げを実施するとの観測が強まった。先物およびオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で25ベーシスポイント(bp)引き上げられるとの観測はほぼ後退した。
米国債利回りはイールドカーブ全体で昨日の時点より低下し、短期金利の指標となる2年債利回りは3.90%付近で推移している。しかし、すべての期間の利回りが、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻後の3月の水準をまだ余裕で上回っていることに留意する必要がある。
ジャネット・イエレン米財務長官はきょう11日、東京で開催されたG7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁会議で講演し、米国の債務上限問題をめぐる自身の最近の見解を示した。
中国のインフレ指標も軟化し、4月のCPI総合指数は前年同月比0.1%上昇と、予想(同0.3%上昇)、前月(同0.7%上昇)をともに下回った。生産者物価指数(PPI)の下落率は3.6%となり、予想(3.3%)および前月(2.5%)より下落率は拡大した。
中国国債(CGB)の利回りは低下し、10年債利回りはきょう、昨年11月以来、初めて2.7%を割り込んだ。 中国人民銀行(中央銀行)当局者からのハト派的な発言や、物価上昇圧力の緩和を期待している市場関係者もいる。
英ポンド/ドルは、きょうイングランド銀行(BOE、中央銀行)の金利決定を控える中、昨日付けた12カ月ぶり高値1.2680付近での推移が続いている。ブルームバーグのエコノミスト調査では、政策金利は25bp引き上げられ、4.50%になると予想されている。
日本の3月の経常黒字は2兆9,470億円で、予想(2兆2,780億円)を上回った。ドル/円は本記事執筆時点で134.25近辺と、小幅な値動きにとどまっている。
金と原油は、ドル安を背景に小幅ながら上昇したものの、APAC(アジア太平洋地域)の株価指数はほぼ変動がなかった。
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とウォラーFRB理事に加え、多くの欧州中央銀行(ECB)当局者が講演する予定だ。
経済指標全体のカレンダーはこちらでご覧いただけます。



ユーロ/ドルのテクニカル分析
ユーロ/ドルは、いくつかの潜在的なサポート水準のすぐ上に不安定に位置しているように見える。
1.0910-1.0945のエリアには、多くのブレイクポイントや過去の安値、上昇トレンドラインがある。このゾーンを下方ブレイクすると、弱気なモメンタムが展開される可能性がある。
このゾーンを下回る急激な動きがすぐに発生した場合、価格は21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの下限バンドをも下回ることになる。こうなると、ボラティリティが高まる可能性が出てくる。
上値では、1.1075-1.1100エリアの過去の高値がレジスタンスとなるかもしれない。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。