カナダドル、CAD、米ドル/カナダドル、カナダドル/日本円、雇用統計、カナダ銀行、金融政策―トーキングポイント



米国と同時にカナダ雇用統計が公表
米国の雇用統計と同時にカナダにて雇用統計が公表された。12日のカナダ中銀による金融政策決定会合前の最重要の経済指標である。失業率は上昇、平均時給は減速した一方、雇用者数は大幅増加に転じる等、まちまちの結果であった。

金融市場では今回の金融政策決定では政策金利の引き上げと据え置きがほぼ拮抗している。市場の見方が分かれている中、利上げを実施した場合はカナダドル高要因に、据え置かれた場合はカナダドル安要因になろう。加えて、各国中銀の利上げ停止が視野に入りつつある中、カナダ中銀の金融政策見通しにも注目。市場では年内約1.6回の利上げを織り込んでおり、一段の金融引き締めを示唆するかどうかもカナダドルの動向に影響を与えよう。

資料:Bloomberg、OIS市場のデータよりDailyFXが作成。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -16% | -16% | -16% |
週次 | 1% | -20% | -10% |
米ドル/カナダドルの見通し:カナダドル安シグナルを示唆
木曜日の強い米国ADP雇用報告等を受け、1.362レベルのレジスタンスを明確に上方ブレイク(米ドル高カナダドル安)した。金曜日の米国雇用統計で非農業部門雇用者数が減速したことを受け、米国利上げ織り込み後退、米ドル安カナダドル高に反転したものの、1.362レベルを下回れず、サポート転換したことが確認できる。カナダドル高の進展余地は限定的との見方を投資家に印象付けよう。加えて、MACDラインがシグナルラインを上抜ける「ゴールデンクロス」が正立している。テクニカル面では、USドル高カナダドル安を示唆している。
金融政策決定会合にて、利上げが見送られた場合や利上げ停止を示唆した場合、カナダドル安トレンドが一段と鮮明になり、200日指数移動平均線上抜け(現在1.338レベル)上抜け(USD高CAD安)をトライしよう。
一方、利上げが実施された場合や一段の金融引き締めを示唆した場合、1.362レベルを終値ベースで下方ブレイクできるかに注目。下方ブレイクすると、テクニカル面でのカナダドル安シグナルが消滅し、カナダドル高トレンド再開が視野に入る。
USDCAD日足チャート

資料:Trading View
カナダドル/日本円の見通し:カナダドル安を示唆
20日指数移動平均線を下抜け、MACDラインが上向きかつ、シグナルラインを下回る「デッドクロス」が示現しており、カナダドル高円安トレンドの勢いが衰えていることを示唆している。RSIも同様に弱気を示唆する50割れ寸前であり、テクニカル面ではカナダドル安トレンドへの転換を示唆している。
カナダ中銀が政策金利を据え置いた場合、カナダドル安トレンドが一段と鮮明になり、昨年10月から今年1月にかけてのCADJPYの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準104.346レベルへの下落が視野に入る。
一方、カナダ中銀が利上げを実施した場合や一段の金融引き締めを示唆した場合、水平レジスタンスである109.506レベルを上方ブレイクできるかに注目。上方ブレイクした場合、カナダドル安トレンドからの転換の可能性が高まる。
CADJPY日足チャート

資料:Trading View



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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著