米ドル - トーキングポイント
米ドル ファンダメンタルズ分析見通し:強気
先週の米ドルはユーロの上昇を背景に軟調な滑り出しとなった。米ドル指数の主要構成通貨であるユーロは、欧州中央銀行(ECB)がタカ派的な姿勢を強めたことを背景に買われた。その後、米国ではISM製造業購買担当者景気指数(PMI)および非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回る結果となり、週末を前に米ドルは小幅ながらプラス圏で引けた。
今週発表予定の経済指標(下記参照)は比較的重要度が低いが、その中で注目されるのはISM非製造業購買担当者景気指数だろう。米国経済はサービス業が中心であり、サービス部門のISMの発表前後で相場は多少ボラティリティが上昇するはずだ。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が経済指標を重視するようになった昨今、経済指標の発表はより大きな意味を持っている。
経済指標カレンダー




全体的に見て、米国経済は、特に欧州地域と比べると比較的堅調に推移しているようだ。つまり、積極的な利上げが米国に与える悪影響は、欧州ほどひどくはなさそうに見える。多くの市場アナリストは、8日に迫る欧州中央銀行(ECB)理事会でECBは、75ベーシスポイント(bp)の利上げを実施すると予想しているが、冬が間近に迫っており、中期的にはFRBがECBより先に積極的なタカ派姿勢を弱めることになるだろう。下の表からわかるように、金融市場はFRBの69bpの利上げを予想しており、9月後半の米連邦公開市場委員会(FOMC)で75bpの利上げが実施されるとの予想と解釈できる。目先では、8日のECB理事会で、特に積極的な引き締め政策が示されれば、ユーロが上昇する可能性があるが、その上昇は短期的なものだと筆者は考えている。
FOMCでの利上げ確率

資料:Refinitiv
テクニカル分析
米ドル指数 日足チャート

資料作成:Warren Venketas, IG
米ドル指数(DXY)の日足チャートでは、フィボナッチ76.4%(2001年7月高値から2008年3月安値で構成)の水準109.37を維持していることがわかる。RSI(相対力指数)は、弱気ダイバージェンスを示しており、米ドルの反落が迫っていることを示唆している。8日のECB理事会でタカ派的な金融政策が決定されれば、その決定は米ドル反落を示すRSIの動きと歩調を合わせることになるが、長期的には、永続的な米ドルの上昇トレンドは継続すると見ている。
レジスタンス水準
- 111.00
- 110.00
- 109.37
サポート水準
- 108.00/20日 EMA(紫)
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