米ドル、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、米ドル/円、原油 - トーキングポイント
- 米国時間27日の米ドルはFRB議長の発言から今後、利上げ幅は小さくなってくるとの見方が広がったことを受け、下落した
- 米国株の大幅上昇にもかかわらず、アジア太平洋市場の株式は底堅い推移にとどまった
- 米国時間28日は米GDPの発表に注視。予想を上回る数値となれば、米ドルは上昇トレンドを再開するだろうか?
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市場が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ予想を再調整したことが嫌気され、米ドルは下落した。27日のニューヨーク外国為替市場では、予想通りだったFRBによる75ベーシスポイント(bp)の利上げを受け、ユーロと英ポンドは米ドルに対する上昇幅が最大だった。円は28日のアジア市場で、対米ドルでの上げ幅が最大となった。
ジェローム・パウエルFRB議長は金融政策決定後の発言で、少なくとも現時点ではSEP(FOMCメンバーの見通し)は前回(6月)と同様の見通しが有効との見解を示した。米国経済は現在、景気後退に陥っておらず、今後の利上げについては経済指標の動向に左右されると述べた。
パウエル議長は次回以降の75bpの引き上げ実施を否定しなかったが、FRBは今後、金利政策の動きに関するフォワードガイダンスを行わないとした。
利上げペースが鈍化するとの見方から、27日の米国市場で10年債利回りは低下し、それより限月の短い2年債などは数ベーシスポイント上昇した。ダウ平均株価は1.37%高、S&P500は2.62%高、ナスダックは4.06%高となり、米国株は大きく上昇した。株式先物は現在、やや下げている。
28日のアジア太平洋市場の株式指数は、前日比1%弱低い水準で推移している香港のハンセン株価指数の例外を除き、わずかに上昇している。予想通り、香港金融管理局(HKMA)は本日、FRBの利上げと歩調を合わせ、75bpの利上げを実施した。
27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油相場は、ドルの軟化と在庫の減少に後押しされて上昇した。米エネルギー情報局(EIA)は同日、米戦略石油備蓄の原油在庫が450万バレル減少したと発表した。これは予想を上回る減少幅で、戦略石油備蓄は4億2200万バレルまで減少した。
28日のアジア市場でコモディティは全体的に上昇している。特に鉄鉱石は好調で、一時は5%以上上昇した。金は1オンス=1,736米ドル近辺で取引されている。
27日にドイツの消費者物価指数が発表された後は、米国の国内総生産(GDP)成長率に焦点が移るだろう。市場は第2四半期の成長率を前期比年率0.5%の増加と予想している。第2四半期(3-6月期)のPCEデフレータも発表される予定で、市場は前期比4.4%の上昇を見込んでいる。これはFRBが注視している物価上昇の指標である。
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米ドル (DXY) 指数 テクニカル分析
米国時間27日の米ドル指数(DXY)は下落したが、3週間ぶりの安値となる106.11は割り込まず、この水準が下値支持線となる可能性がある。その下の水準では、ブレイクポイントとなる105.59がサポートとなりそうである。
10日単純移動平均線(SMA)は、21日SMAを下回って下降しそうに見受けられる。もしそうなれば、これはデッドクロスの発生となり、弱気なモメンタムが生じることを示唆しているかもしれない。
上値では、昨日の高値である107.43がレジスタンスとなる可能性がある。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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