ドル、DXY、2002年高値、珍しい事象 -テクニカル分析週間見通し
- 先週金曜にドルが1.5%上昇する確率は約0.1%だった
- DXYは、重要なレジスタンス水準を超え、2002年以来の高値が視野に
- 上昇局面/下降局面で注目すべき重要なテクニカル水準とは?
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ドル相場のテクニカル分析見通し - 強気
先週は、ドル相場にとって特に珍しい週だった。金曜に米ドル指数(DXY)は約1.5%上昇し、2020年3月以来の大幅高となった。過去3年間の日々の変化率データを分析すると、それがいかに稀なことであったかが分かる。下図は、確率密度関数(PDF)を使用し、その稀な確率を割り出したものである。
PDFとは、標準偏差で見た際に、ある日が平均からどの程度離れているかを測定するツールである。先週金曜は、平均値から3.9標準偏差近く離れている。別の言い方をすれば、このような事象が発生する確率は0.1%ということになる。ドル相場はここ最近、目覚ましい連勝を達成しているが、上値余地はあるのだろうか?
幸運が続きそうなドル相場

資料: ブルームバーグ
チャート作成:ダニエル・ドゥブロスキー
DXY 4時間足チャート
筆者は先週も、ドル相場のテクニカル分析見通しを執筆した。先週、4時間足チャートでは、強気の長方形パターンが形成されつつあったが、予想通り、このチャートパターンは見事に示現した。パターンの上方にブレイクアウトしたことを確認した後、指数はさらに上げ幅を拡大し、9月初旬のスイングハイである110.786を上抜けた(下図参照)。RSI(相対力指数)ではダイバージェンスは勢いに欠けるため、今後もドル高の勢いは強いことを示しているように思われる。日足チャートではどうだろうか?
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -3% | 3% | -1% |
週次 | -10% | 16% | -2% |

資料:TradingView
DXY 日足チャート
米ドル指数は、重要な110.786-110.317のレジスタンスゾーンを突破したことを確認し、2002年以来の高値に向けて上昇トレンドを継続する可能性につながっている。指数は、フィボナッチ・エクステンション61.8%および78.6%の水準をそれぞれ111.48と112.51で突破している。当面のレジスタンスは100%の水準113.83、さらなる上昇局面では123.6%の水準115.28となりそうである。下降に転じた場合は、20日単純移動平均線(SMA)に注視されたい。これがサポートとなり、上昇トレンドが維持される可能性がある。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。