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ドル相場見通し: 先週は、今年最大の週間上昇率に。パウエル議長の発言に注目

ドル相場見通し: 先週は、今年最大の週間上昇率に。パウエル議長の発言に注目

このページの内容

※2023年5月15日11時01分更新

米ドル相場の 週間見通し: 強気

  • 米ドルは先週、週ベースで今年最大の上昇率となった
  • 米CPIと消費者インフレ期待を背景にFRBの利下げ観測が後退
  • 市場の焦点は、米小売売上高、失業保険申請件数、パウエル議長の講演に移る
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ファンダメンタルズ分析

米ドルは先週、主要通貨に対して上昇し、今年最大の週間上昇率を記録した。例えば、ユーロ/米ドルは約1.6%上昇し、珍しい事象となった。一方、最もパフォーマンスが悪かった通貨は、センチメントの動向に連動しやすいオーストラリアドル/米ドルとニュージーランドドル/米ドルだった。

先週金曜は、米ミシガン大学が発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)に注目が集まった。消費者信頼感指数(速報値)は57.7で、昨年11月以来6カ月ぶりの低水準だったものの、1年先と5-10年先のインフレ期待は予想外に高水準となった。多くの米国人はまだ物価上昇を懸念しており、それはこの先、経済的な影響を及ぼすかもしれない。

週前半には、最新の米消費者物価指数(CPI)が発表された。4月のCPI総合指数は4.9%とやや低下したが、コア価格指数(変動要因を除く)は5.5%とほぼ横ばいだった。これは、基調的な物価上昇圧力が引き続き高いことを意味している。トレーダーは先週、米連邦準備制度理事会(FRB)による目先の利上げ観測を徐々に後退させた。

米国債利回りは先週金曜に上昇し、リスク選好度は後退したため、米ドルを押し上げた。今週は、先週より米経済指標の発表が少なくなる。注目される主な米経済指標は、小売売上高、米抵当銀行協会(MBA)が発表する住宅ローン申請件数、新規失業保険申請件数である。新規失業保険申請件数はじわじわと上昇しており、これは労働市場が悪化し始めたことを示す初期の兆候ではあるが、依然としてひっ迫した状態は続いている。

今週は恐らく、週末に最も興味深い動きが見られそうだ。ジェローム・パウエルFRB議長とバーナンキ元FRB議長が、政策委員会に参加する。パウエル議長が目先の利下げ観測に冷や水を浴びせ続けるようなら、来週の金融市場は不安定な動きとなる可能性がある。これは、安全資産の逃避先と見られており、金融政策に敏感に反応する米ドルにとって良い兆候である。

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ドル相場のテクニカル分析

日足チャートでは先週、米ドル指数が1.4%上昇した。これは、終値ベースで3月下旬以来の高水準となる。ただ、指数は昨年からの重要なサポートゾーンである100.82-101.29を突破するには至らなかった。直近のレジスタンスは、100日単純移動平均線(SMA)だと思われる。100日SMAは3月と同様、上値を抑える機能を果たす可能性がある。一方、さらなる上昇局面では、105.88が意識されることになる。

米ドル指数 日足チャート

資料:TradingView

--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著

ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。