米国株、S&P500、NASDAQ、韓国、輸出、世界経済、先行指標―トーキングポイント
- 韓国経済は世界経済の先行指標
- 韓国輸出統計は世界経済の底打ちを示唆
- このような中、ナスダック総合指数、S&P500の見通しは?



米国株に対する懸念材料の一つとして、米国を中心とした世界経済の減速懸念が挙げられる。しかしながら、世界経済は底打ちしつつある兆候が出ている。
韓国経済は世界景気の先行指標の役割を果たす。適切な規模、解放経済のため貿易動向や世界景気の変化をいち早く反映する傾向がある。韓国で6月(月最初の20日間)の輸出統計が公表された。輸出は10カ月ぶりに前年比プラスの伸びとなり、地域別でも底打ちの兆しが確認できる。
韓国輸出前年比(左:全体及び半導体輸出、右:地域別輸出)

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
韓国輸出は一つの先行指標に過ぎず、世界経済が明確に底打ちしたとは言えないものの、世界景気の減速懸念が重荷になっていた米国株にとってはプラス材料である。更に世界景気の底打ちが明らかになった場合、米国株が一段と上昇する可能性がある。
ナスダック総合指数見通し
2021年11月から2022年10月にかけての下落に基づくフィボナッチリトレースメント61.8%水準13,872ポイントをトライした後反落し、現在9日指数移動平均線上で推移している。最近の急上昇を受け、短期的な調整の側面もあると思われる。20日指数移動平均線上でサポートされた場合、相場の地合いの強さを投資家に印象付けよう。
MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは上向きかつ、シグナルラインを上回っており、ナスダック総合指数の上昇の勢いは衰えていない。また、21日移動平均線からの乖離率も2.3%まで低下しており、過熱感を示していない。世界経済の減速懸念も晴れつつある中、米国株の一段高を見込む。
フィボナッチリトレースメント61.8%水準13,872ポイントの再トライが視野に入る。更に上昇の勢いが衰えなかった場合、2022年2月から4月にかけてのレジスタンスになった14,500ポイントへ上昇する可能性がある。
一方、ナスダック総合指数が調整した場合、20日指数指数移動平均線(現在13,253)でサポートされるかに注目。下方ブレイクした場合、上昇トレンドが終了した可能性が高まる。
NASDAQ総合指数日足チャート

資料:Trading View
S&P500見通し
昨年8月高値(4325.88ドル)を上方ブレイクしており、S&P500の上昇圧力が強まっている。MACDラインはシグナルラインを上回っており、上昇の勢いは衰えていない。世界景気の減速懸念が和らぎつつある中、S&P500の一段高を見込む。昨年4月高値4,520ドル更新が視野に入る。
一方、下値の目途として、20日指数移動平均線(現在4,301)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、相場の地合いが強いことを投資家に印象付け、再度S&P500が上昇に転じることを想定する。
S&P500日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著