※2023年4月17日9時46分更新。
インフレ期待、金融政策、DXY、USD/JPY、EUR/USD―トーキングポイント



インフレ期待が加速。FRBによる引き締めが必要?
14日は米国大手金融機関が決算発表を行い、決算発表シーズンが始まった。JPモルガン等が決算発表を行ったが、貸出金利の上昇等を受け大幅な純利益の伸びを記録した。金融不安の高まりを受け、中小銀行は預金を減らしたのに対し、14日に決算を発表した3行(JPモルガン、シティ、ウェルズ・ファーゴ)の預金の減少は微減に留まった。ただし、将来の景気悪化懸念に対する警戒感を示した。

資料:DailyFX.com企業決算カレンダー
また、米国では小売売上高やミシガン大学消費者信頼感が発表された。小売売上高は燃料や自動車の売上が落ち込ち、市場予想を下回る前月比1%減であった。一方、ミシガン大学消費者信頼感指数は1年先のインフレ期待は大幅加速を示し、インフレ鎮静化のための金融引き締めの必要性を示唆する結果となった。

資料:Trading Economics
インフレ期待が加速したことに加え、先週金曜日は米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が一段の金融引き締めが必要であることを示唆したこともあり、米金利は上昇、ドル高が進展したが、今後の米ドル指数、そして米ドルの対円、対ユーロでの見通しは?
米ドル指数(DXY指数):利下げ織り込み剥落で上昇へ
先週金曜日の指標、FRB理事の発言を受け、利上げ織り込みが小幅に増加したものの、依然として夏以降の連続利下げが織り込まれている。年末までに3回の利下げ実施が予想されている。14日発表のインフレ期待に加え、米国の雇用環境も底堅さを示しており、インフレ抑制のためにFRBによる金融引き締めが必要であることを示唆している。22日よりFRB高官は発言ができないブラックアウト期間に突入するが、5月のFOMCに向けて、年末までの利下げ織り込みが剥落、米ドル指数(DXY指数)の上昇を見込む。
米ドル指数(DXY指数)と利下げ織り込みのチャート

資料:Trading Economics
ユーロドル(EUR/USD):中立
1.1台定着に向けた攻防が続いている。4時間足チャートを確認すると、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは下向きかつ、シグナルラインを下方ブレイクしており、弱気のシグナルを発している。また、ECBの金融引き締めスタンスはユーロ高要因であるものの、RSIも弱気への転換を示唆する50を下回る寸前であり、中立とする。1.1ドル台が定着できるか注視したい。
ユーロドル4時間足チャート

資料:Trading View
米ドル/日本円の見通し:米ドル高円安
4時間足チャートを確認すると、レジスタンスとなっていた200日移動平均線を上抜け、上昇トレンド(米ドル高円安)を示唆している。また、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは上向きかつ、シグナルラインを上抜けており、強気を示唆している。加えて、5月のFOMCに向けてFRBの利下げ織り込み剥落、米金利上昇が見込まれ、一段の米ドル高円安進展を見込む。一方、日本銀行は4月27、28日植田日本銀行総裁のもとで初の金融政策決定会合を開催する。21日発表のインフレ率が高止まりを示唆する結果となった場合、日銀の早期の金融政策修正観測が高まる可能性も注意。日銀の金融政策修正観測が高まった場合、50日移動平均線でサポートされるかに注目。
米ドル/日本円の4時間足チャート

出所:Trading View
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--- DailyFX Japan著