米国株見通し
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21日の米国株式市場では、慎重ながらも楽観的なムードが広がり、主要な米国株式指数は上昇した。一部の銘柄は連日で力強く上昇している一方で、振るわない銘柄もあり、相場上昇の勢いが特に強いとは言えない。投資家は依然として銘柄を選別する傾向が強く、リスク資産に見境なく資金を投入しているわけではないことを示している。
S&P 500種株価指数は0.99%高の3,999で引けた。一般消費財銘柄が上昇をけん引したものの、エネルギー株の下げが重しとなった。原油価格が3%以上急落したことで、エクソンモービルやオクシデンタル・ペトロリアムなどの石油・ガス関連銘柄は大幅下落となった。その他、堅調な企業業績が好感されたテスラ株が10%近く急上昇したことが寄与し、ナスダック100指数は1.44%高の12,619と、6月9日以来の高値で取引を終了した。ダウ工業株30種平均株価はベライゾンとIBMに下落圧力がかかったため、0.5%高の32,037にとどまり、パフォーマンスは他の株価指数を下回った。



高インフレや需要の鈍化、一段と強まる金融引き締めが米国企業に与える影響を見極めるため、今後も企業決算発表に注目が集まるだろう。米国時間22日に主要な企業の決算発表はないが、来週にはアップルやマイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、ビザなどの有力企業が決算を発表する。四半期ごとの実際の業績も重要だが、ガイダンスや見通しに関する企業側のコメントに注目し、これらの大企業が景気悪化に備えているかどうかを見極める必要がある。
米経済指標カレンダーに関しては、週末直前に1つだけインパクトの強いイベントがある。S&Pグローバルが発表する米国の製造業・サービス業を合わせた7月の総合購買担当者指数(PMI)である。米企業活動はさらに鈍化すると予想されているが、最も重要なのはその減速度合いだ。両部門での企業活動が縮小、あるいは縮小に近づけば、景気後退懸念から市場センチメントが悪化する可能性がある。景気後退は通常、高い失業率と消費の減少を招き、株式、特に健全な経済成長によって収益を上げている企業の銘柄(景気循環株)には不利になる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -15% | 8% | -2% |
週次 | 6% | -7% | -3% |
S&P 500 テクニカル分析
S&P500指数は着実に上昇し、50日単純移動平均線を上回った水準で推移している。ここ数日で弱気相場の領域から抜け出し、テクニカル分析の観点からポジティブなシグナルが出ている。しかし、意味のある上昇相場の形成に至っているとは言えず、流動性の低下も相まって、再びデッドキャットバウンス(株価大幅下落後の一時的な小幅回復)となる可能性がある。時間が経てば分かることだが、持続的な株価回復を確信するためには、上昇銘柄数の増加が必須である。
値動きに注目すると、今後数日間に指数が上昇すれば、最初の上値抵抗線は4,060、次いで4,170が意識されそうである。一方、売りが優勢となり、弱気のモメンタムが戻った場合は、3,900付近が下値サポートとなる可能性があるが、これを維持できない場合は3,820の下値を再び試すに展開となるかもしれない。
S&P500テクニカルチャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com マーケット・ストラテジスト ディエゴ・コルマン著