主な市場動向
- 週明け、小動きで始まった米国株は19日(火)に上昇
- S&P500は2.76%高、ナスダック100は3.13%高の急上昇。両指数とも50日単純移動平均線を上抜け、強気シグナルが点滅
- 20日(水)はテスラの決算に注目
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週明けに控えめなスタートを切った米国株だが、19日の米国株式市場では予想を上回る好業績を背景に、押し目買いの動きが活発化し、急上昇した。ここ数カ月間、経済環境は厳しさを増しているものの、米国企業は厳しい状況をうまく切り抜け、健全な収益を上げている。とはいえ、現時点で大きな結論を出すには時期尚早だ。
その他、ロシアの国営エネルギー会社ガスプロムが、ロシアからドイツに天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」を経由して欧州へのガス輸出を21日に再開するというニュースも、市場ムードの改善に貢献した。
S&P500種株価指数は2.75%高の3,937となり、6月28日以来の高水準となった。この結果、同指数は弱気相場圏を脱し、強気のシグナルとなる50日単純移動平均を上回ることに成功した。一方、ナスダック100指数は、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、アルファベット、アマゾンの株価が力強く上昇し、3.13%高の12,249となった。



リスク資産の買い戻しは歓迎すべきことだが、金融引き締め、高インフレ、経済活動の鈍化といった厳しい環境下で、センチメントは依然として脆弱なままである。アップルの雇用計画に関するネガティブなニュースが、18日の米国株式相場を大幅に下落させたことからもわかるように、流動性の低下により上昇下落の両局面において株価の動きは増幅するため、状況は悪化し、より予測不可能になっている。
今後は、22日までインパクトのある米国の経済指標の発表がないため、当面は企業決算が注目を集めることになりそうである。電気自動車メーカーのテスラはS&P500種指数とナスダック100指数の両方で大きな比率を占めているため、米国時市場20日の引け後に発表されるテスラの決算に特に注目する必要がある。
米国のアナリスト予想では、売上高が182億6000万、一株当たり利益(EPS)は1.73ドルとなっている。テスラの業績と、さらに重要なこととして、そのガイダンスが意味のある形で上方修正されれば、投資家信頼感の回復につながり、少なくとも景気後退懸念が再び市場の関心を集めるまでは、米国株、特に最近上昇しているハイテク分野の銘柄は、さらに上げ幅を拡大する可能性がある。



ナスダック100 テクニカル分析
米国時間19日のナスダック100指数は急騰し、50日単純移動平均線を決定的に上回ったが、12,250付近の重要なテクニカルレジスタンスを突破するには至らなかった。強気派の勢いが増しているため、ブレイクアウトは間近かもしれず、上抜ければ12,600、そして13,000の上値を試す展開となる可能性がある。
一方、現在の弱気相場で何度も起こっているように、上値追いが続かず、売り手の勢いが再び強まった場合は、最初の下値支持線は11,500、次いで11,325が視野に入ってこよう。さらなる下降局面では、11,040のすぐ下の2022年の安値水準に焦点が移るだろう。
ナスダック100 テクニカルチャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com マーケット・ストラテジスト ディエゴ・コルマン著