米国株見通し
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26日の米国株式相場は下落。米国経済がハードランディングに向かうとの懸念が強まり、センチメントが悪化した。予想を下回って低下した米消費者信頼感指数や国際通貨基金(IMF)のマクロ経済に対する見通しの悪化など、弱気な景気見通しを示すデータがネガティブなシナリオにより現実味を帯びさせ、投資家を株売却に向かわせている。このような背景から、一般消費財関連株や景気敏感株を中心に売りが増え、S&P500種株価指数は1.15%安の3,921となった。一方、ナスダック100指数は、アマゾン、テスラ、メタプラットフォームズが急落し、1.96%安の12,087で引けた。
IMFは26日、世界経済の見通しは「ますます暗く、不確実性を増している」として、日米欧などの経済成長率を軒並み大幅に引き下げた。また、インフレの高騰、予想以上に減速している中国経済、ロシアのウクライナ侵攻による地政学的影響、金融引き締めなどを背景に、世界経済がまもなくリセッション(景気後退)の瀬戸際に立たされる恐れがあると警告した。
7月の米消費者信頼感は3カ月連続での低下となり、2021年2月以来の低水準となった。これにより、リスク資産を取り巻く環境はさらに悪化し、投資家が株式のポジションを手仕舞うきっかけとなった。米国の消費者が出費をためらえば、家計消費が急減し、中期的に景気後退期が続く恐れがあり、そうなれば、企業収益や株式市場全体にとってさらなる逆風となるだろう。



今後は、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が決定する金融政策に注目が集まる。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利であるFF金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bps)引き上げて2.25%-2.50%とすると見られている。高止まりするインフレを抑制し、物価安定を回復するために、再び積極的な利上げを実施する格好だ。この動きは完全に市場に織り込み済みなため、26日はFOMC声明のフォワードガイダンスと記者会見でのパウエル議長の発言が焦点となる。
パウエル議長は、インフレ期待率が低下していることや、原油・ガソリン価格の下落もあり、今後数カ月で消費者物価指数(CPI)が弱さを示す可能性があることを考慮し、新たなタカ派的な爆弾発言は控えるだろうが、これはFRBの政策転換を示唆するものではない。それを見極めるには時期尚早である。しかし、さらなるタカ派的な姿勢を示すなどのサプライズがないため、極端な悲観論は後退し、株式相場は安定する可能性がある。ただし、当面は企業収益と今後の経済活動が市場センチメントにとってより重要であることが証明されるかもしれない。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 0% | 5% | 2% |
週次 | 14% | -13% | 0% |
S&P 500 テクニカル分析
週初は横ばいだったS&P 500種指数は、26日に大きく売られたが、主要なテクニカルサポートである3920付近に位置する50日単純移動平均線は上回って取引を終えた。今後、この水準から反発すれば、最初の上値抵抗線は4,015、次いで4,065が意識されるだろう。
一方、売りが優勢となり、3,920のサポートラインを下回れば、弱気派が勢いを加速させ、3,815に向かって下落する展開となる可能性がある。さらに下げ幅が拡大すると、3,725が視野に入ってこよう。
S&P500 テクニカルチャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com マーケット・ストラテジスト ディエゴ・コルマン著