米国株式市場 – トーキングポイント
- S&P 500は重要なレジスタンスを上抜けられず、下げに転じた
- 週明け14日は反落したが、FRBが緩やかな利上げペースに移行するとの期待が、株価回復を促す支援材料になるだろう
- 15日は米PPIが注目され、その後は、16日の米小売売上高と11月のFOMC議事録に、市場の関心は向かう
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14日の米国株は方向感が定まらず、終始上下に振れていたが、取引時間後半に下げに転じ、反落して取引を終了した。先週の力強い上昇の勢いを維持できず、センチメントはやや慎重になったものの、下げは限定的だった。 大きなきっかけはなかったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長が、利上げペースを近く鈍化させる可能性を示唆する発言をしたことで、大幅な株価下落は避けられたようだ。
結局、S&P 500種株価指数は、不動産と一般消費財のセクターが下げを主導し、心理的水準4,000に近いフィボナッチの重要なレジスタンスで失速、前週末比0.89%安の3,957で引けた。一方、ナスダック100指数は、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)銘柄が大きく売られ、同0.98%安の11,700で取引を終えた。
今後は、中程度のインパクトがある経済指標、10月の米生産者物価指数(PPI)の発表を15日に控えているため、ボラティリティの上昇はあり得るが、16日は10月の米小売売上高と11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されるため、米国相場の動きはさらに活発化する可能性がある。
市場バイアスの観点からは、短期的にはやや強気なムードが続くと考えられる。FRBが引き締めペースを緩めるとの期待、インフレ圧力の緩和、中国が自国経済を支えるためにゼロコロナ政策を微調整すること、ポジティブな季節要因など、すべてが今後数日から数週間、少なくともある程度はリスク資産を支えることになると思われる。
値動きに注目すると、S&P 500種指数は、2022年の急落を基にしたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準である4,000付近の主要なレジスタンスを上抜けできなかった。この水準からさらに小幅下落したが、この動きはテクニカル分析上、反発を妨げるほどのダメージにはならず、指数が間もなく上昇し始める可能性を意味している。
強気シナリオが実現した場合、指数の回復に確信を持つためには、指数は4,000ドルを決定的に上回らなければならない。このエリアを突破すると、焦点は200日移動平均線、そして4,120付近のトレンドラインのレジスタンスに移る。一方、売り手が優勢となった場合は、最初のサポートは3,900、その後は3,825が意識されよう。



S&P 500テクニカルチャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著