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S&P 500・ナスダックの週間見通し:米債務上限問題への楽観的な見方でモメンタム急上昇

S&P 500・ナスダックの週間見通し:米債務上限問題への楽観的な見方でモメンタム急上昇

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このページの内容

※2023年5月29日15時47分更新

S&P 500、ナスダック100 – 見通し

  • ナスダック100指数に上昇の勢いが増している
  • S&P 500指数は上方ブレイクが視野に入ったように見える
  • 注目すべき手掛かりとは?
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ジョー・バイデン米大統領とケビン・マッカーシー共和党下院議長が、2025年1月まで、31兆4,000億ドルの法定上限に達した現行の債務上限を引き上げる方向で合意に近づいているようで、米国株はさらに上昇する可能性がある。

共和党側の交渉を務めるパトリック・マクヘンリー氏は先週金曜、債務上限引き上げに関する合意にはまだ至っていないが、合意は十分可能であり、6月5日の新期限までに上限の引き上げを行うことはできるだろうと述べた。ジャネット・イエレン米財務長官も先週金曜、米国は期限を6月5日(従来は6月1日)に先送りしたことで、デフォルト(債務不履行)を回避するのに十分な手元資金を確保できそうだとした。

米国企業は好決算を発表したものの、信用状況は悪化し、マーケットブレドス指標は低下、投資家は持ち高を減少させており、米国株式市場では先行き不透明感が強まっている(4月29日付記事「S&P 500、ナスダックの週間見通し:上昇トレンドも上げ幅拡大のハードルは高い」参照)。しかし、最近の記事で筆者が強調したように、テクニカルチャート上では上昇トレンドが反転する兆しはない。5月15日付記事をご覧ください。

ナスダック総合指数のブレドス指標

エクセルで作成、資料:ブルームバーグ

今後、6月5日の期限が迫る中、米連邦債務上限を巡る協議がどのように進展するかが焦点となる。米国市場はメモリアルデーの祝日のため、29日は休場となる。債務問題の交渉合意への期待が株式を支える一方、交渉が暗礁に乗り上げれば、株価上昇にはブレーキがかかる可能性がある。

また、予想を上回るインフレ率の伸び、米個人消費と耐久財受注の予想外の増加に加え、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者によるタカ派発言があったことから、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では政策金利据え置きの可能性が低下していることが示唆されている。市場では、来月のFRBによる25ベーシスポイントの利上げ実施の可能性は、先週金曜にこれらの米経済指標が発表される前の40%から60%に引き上がっている。

ナスダック100 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview

ナスダック100:昨年8月の高値を上方ブレイク

先週のナスダック100指数は、週明けに13カ月ぶりの高値を更新し、昨年8月の高値13,720を上方ブレイクした。これは、同指数の中期的な見通しが転換する可能性を示している。13,720に向けて上昇する可能性を指摘している4月14日付記事「ナスダック100・S&P 500見通し:8月高値を再び試す可能性大」をご参照ください。トレンド/モメンタム指標に基づき色分けされたローソク足チャートでは、トレンドは上向きが続き、指数は2022年4月の高値15,265に向けて押し上げられる可能性が示唆されている。

ナスダック100 週足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview、下記の注意書き参照

とはいえ、最近の上昇は、20日移動平均線を上回る構成銘柄の割合や4週間ぶりの高値にある構成銘柄の割合など、ブレドス指標の低下と関連しており、ある程度、上昇が息切れしてきていることを示している。しかし、まだ強気なトレンドが反転する兆しは見られない。

S&P 500 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview

S&P 500: 高値ブレイクが視野に?

ナスダック100指数が新高値を更新する一方で、S&P 500種株価指数はここ数週間、2月の高値4,195を上回れず、苦戦している。公平を期すために記すが、同指数はサポートを割り込んでおらず、上昇の勢いは維持されている。4,195を上方ブレイクすれば、昨年8月の高値4,325に向かって上昇する可能性が開かれる。

S&P 500 日足チャート

チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:Tradingview

色分けされたローソク足チャートが示すように、大まかには1月下旬から強気な展開となっている。この点に関しては、1月の記事で最初に指摘した。

ナスダック100指数同様、S&P 500種指数にとってマーケットブレドス指標はここ最近、支えになっていない。しかし、同指数が5月上旬の安値4,048を上回る水準を維持している間は、強気の勢いが弱まることはないだろう。実際、4,048の下には、3,975(200日移動平均線を含む)に向かって多くのサポート水準が控えている。

このチャートでは、青いローソク足は強気が優勢な局面、赤いローソク足は弱気が優勢な局面を示しています。黒いローソク足はもみ合い局面を表していますが、時にはトレンドの終焉を形成することもあります。

注:ローソクの色は予測ではなく、単にその時のトレンドを示しています。実際、ローソクの色は次のローソクの際に変化することがあります。200期間移動平均線付近やサポート/レジスタンス付近、もみ合い/不安定な値動きの際は、本来のトレンドとは異なる、騙しのパターンが発生する可能性もあります。筆者は情報の正確さを保証しかねます。また、過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆するものではありません。本情報のご利用は、自己責任にてお願いします。

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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著

ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。