※2023年6月21日17時29分更新
S&P 500、ナスダック100 – 見通し
- S&P 500種指数は、厳しいレジスタンスに直面している
- 上昇の勢いは強いが、ナスダック100指数は今のところ、少し買われ過ぎのように見える
- 両指数の見通しとは?



S&P 500種株価指数とナスダック100指数は、買われ過ぎの状態にあり、硬いレジスタンスに直面しているため、特に特にきょう21日夜(日本時間)に予定されている議会証言でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派的な姿勢を見せれば、小反落するリスクが高まる。しかし、より長期の時間軸チャートでは上昇の勢いが増していることから、反落は短期間で終わる可能性が高い。
市場は、今夜(日本時間)と翌22日に予定されているパウエル議長の議会証言から、ハト派的な見方を基準とした価格設定を正当化する理由を探るだろう。金利先物市場は現在、7月にFRBが利上げを実施する確率は78%で、その後、年末まで利上げは見送ると見ている。これに対し、FRBは先週、インフレの低下速度が予想以上に遅いことと米経済の回復力の強さを理由に、年末までに50ベーシスポイントの引き上げが必要になる可能性があるとの見解を示した。
FRB議長のタカ派的な発言は、買われ過ぎているように見える株式のロングを解消する口実になるかもしれない。
ナスダック100 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView、下記注意書き参照
ナスダック100:買われ過ぎも、反転の兆しなし
チャートで見た方向性の観点からは、色分けされたローソク日足チャートが示すように、ナスダック100指数とS&P 500種指数は上昇トレンドが続いている。さらに、日足と週足のチャートにおけるモメンタムを見ると、ここ数週間は、米債務上限引き上げの基本合意や世界経済の底堅さを背景に上昇トレンドがより定着していることが分かる。これについては、最近の記事でも指摘している。5月6日付(英語のみ)、5月15日付、5月18日付(英語のみ)の記事をご参照ください。
ナスダック100 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
5月のナスダック100指数は、2022年8月の高値13,720という堅いハードルを超えて上昇したが、目先では買われ過ぎの様相を呈している。同指数は現在、2022年末から続く上昇ピッチフォークチャネルの上端および2022年4月の高値15,265付近に位置する手強いレジスタンスを試している。小幅下落の可能性は否定できない。30日移動平均線(現在14,250付近)は年初から力強いサポートとして機能しているため、この移動線辺りで下げ止まるかもしれない。一方、上昇局面では、2021年の最高値16,765が次の注目水準となろう。
S&P 500 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
S&P 500:厳しいレジスタンスに直面
昨年8月の高値4,325を上回った後のS&P 500種指数はこのところ、昨年12月からの上昇チャネルの上端や2022年末からの上昇トレンドラインを含む強力なレジスタンスに直面している。しかし、30日移動平均線を決定的に下回らない限り、指数は横ばいから上向きの動きとなる公算が大きいことに変わりはない。次に注目すべき水準は、2022年4月の高値4,637、そして2022年の最高値4,819になりそうだ。
このチャートでは、青いローソク足は強気が優勢な局面、赤いローソク足は弱気が優勢な局面を示しています。黒いローソク足はもみ合い局面を表していますが、時にはトレンドの終焉を形成することもあります。
注:ローソクの色は予測ではなく、単にその時のトレンドを示しています。実際、ローソクの色は次のローソクの際に変化することがあります。200期間移動平均線付近やサポート/レジスタンス付近、もみ合い/不安定な値動きの際は、本来のトレンドとは異なる、騙しのパターンが発生する可能性もあります。筆者は情報の正確さを保証しかねます。また、過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆するものではありません。本情報のご利用は、自己責任にてお願いします。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。