※2023年6月1日11時20分更新
S&P 500、ナスダック100、米求人倍率、7月のFRB利上げ - APAC市場まとめ



S&P 500
31日の米国株式市場でS&P 500種株価指数、ナスダック100指数、ダウ工業株30種平均はともに下落し、リスク志向は2日連続で後退した。今週初めには、米債務上限に関する合意に伴う財政引き締めの影響が懸念され、市場心理を悪化させた。31日は、いくつかの注目すべき経済イベントがあり、株安に拍車をかけたと思われる。
31日のAPAC(アジア太平洋地域)市場では、最新の中国製造業購買担当者指数(PMI)が発表された。予想に届かない結果となり、世界経済の成長鈍化懸念につながった。一方、同日に米労働省が発表した4月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が予想に反して増加した。これは、失業者1人当たり約1.8件の求人があったことを意味する。
金融市場では、7月の米連邦準備制度理事会(FRB)による25ベーシスポイントの利上げ観測が引き続き強まっている。一方、6月は政策金利の据え置きが有力視されている。フィリップ・ジェファーソンFRB理事は31日、「金利を据え置けば、データを評価する時間ができる」と述べた。もちろん、経済状況は引き続き、流動的である。2日には、非農業部門雇用者数(NFP)が発表される。
1日のAPAC市場は、米国株安の流れを引き継ぐ可能性があり、日経平均株価やオーストラリアのASX 200株価指数などが下落リスクにさらされそうだ。目立った経済指標の発表はないため、センチメントの動向に左右される展開となるかもしれない。
S&P 500のテクニカル分析
日足チャートでは、S&P 500種指数は上昇ウェッジのチャートパターン内で取引されているように見える。一方、RSI(相対力指数)は、上昇の勢いが弱まっていることを示しており、これは時に、指数が下降に転じる前に見られる。ウェッジを下方ブレイクすると、指数は下落する可能性が開かれ、サポートが意識されるだろう。サポートは、フィボナッチ・エクステンション38.2%の水準4,109と思われる。



S&P 500 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。