米国株、S&P500、NASDAQ、企業決算、Tesla、Netflix、Goldman―トーキングポイント
- GS、ネトフリ(NFLX)の企業決算は一部予想下回るもテスラ(TSLA)等19日公表の決算は概ね良好
- 現在までの4-6月期米国企業決算は力強い
- 2022年10-12月期を底に事前予想の上ぶれが相次いでいることは米株をサポート
- このような中、S&P500、ナスダック総合指数の見通しは?



19日公表の米国企業決算は良好
米国企業の4-6月期企業決算が本格化している。昨日は金融大手ゴールドマンサックス(GS)、米国最大級の地方銀行USバンコープ、時間外にネットフリックス(ネトフリ)、テスラ等の注目企業が決算発表を行った。ゴールドマンは投資銀行部門の苦境を受け、一株利益は事前予想に到達しなかった。テスラは、値下げにより販売が増加したことから、売上高・一株当たり利益共に事前予想を上回った。ネトフリは一株当たり利益は予想を上回ったものの、売上高が予想を下回った。その他の主要企業は概ね事前予想を上回る決算内容を発表した。
企業決算の詳細はDailyFX.com企業決算カレンダーで御覧いただけます。
大半の企業は事前予想を上回る決算内容
現在までに公表された企業決算は概ね市場予想を上回っている。S&P500構成企業の内、既に決算を発表した企業の内、約61%は売上高が、約83%が一株当たり利益の事前予想を上回っている。1-3月期の決算と比べ、一株当たり利益が事前予想を上回っている企業の割合は多く、良好な決算内容が続いている。

資料:BloombergよりDailyFXが作成。事前予想はBloombergの集計値
2022年10-12月期を底に事前予想からの上振れが相次ぐ
事前予想を上回っている企業の数に加え、売上・利益共に事前予想の金額を上ぶれる企業が増えており、売上・一株当たり利益の事前予想からの乖離率(ポジティブサプライズ)が2022年10-12月期を底として大きくなっている。企業決算は始まったばかりであるものの、事前予想を上回る企業決算が今後も続いた場合、米国株のサポート要因になろう。

資料:BloombergよりDailyFXが作成。事前予想はBloombergの集計値
S&P500の見通し
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | 14% | 9% |
週次 | 27% | -13% | 3% |
MACDラインは上向きかつ、シグナルラインを上抜けており、上昇の勢いは衰えていない。また、昨年4月高値4,520ドルの上方ブレイクに成功し、上昇圧力が強まっている。
テクニカル面の強気シグナルが点灯する中、米国企業決算の内容が良好であることに加え、FRBによる利上げ局面終了が視野に入る中、昨年3月高値4,637ドルのトライを見込む。
一方、下値の目途として、20日指数移動平均線(現在4,434ドル)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、相場の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
S&P500日足チャート

資料:Trading View
ナスダック総合指数の見通し
MACDラインがシグナルラインを上抜ける強気の「ゴールデンクロス」が成立している。21日移動平均線からの乖離率は4.1%に留まっており、過熱感を示していない。ハイテク企業中心に構成されるNASDAQ総合指数は、米国金利の動向に敏感であり、FRBの利上げ終了が近いことはサポート要因である。加えて、良好な企業決算が株価をサポートし、昨年3月高値14,647ポイントのトライを見込む。更に、上昇の勢いが衰えなかった場合、2021年11月から2022年10月にかけてのNASDAQの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準14,902ポイントが視野に入る。
一方、下値の目途として、20日指数移動平均線(現在13,854ポイント)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、相場の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
ナスダック総合指数日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著