


第3四半期が始まり年初の価格のわずかに上で取引されている金価格は依然としてここ数年の上昇トレンドラインに支えられている。広い視野では強気を維持しているが、中期的にはレジスタンスラインのブレイクアウトに何度も失敗した後に大幅な調整が入るおそれがある。第3四半期のスタートにかけて観察中の水準を以下で紹介する。
金価格テクニカル分析:月足チャート(2008年11月~2022年6月) (チャート1)

出所:TradingView マイケル・ブトロス作成
3月の上昇は史上最高値の2075を目前に失敗、その後下落し、年初の高値である1829がサポートラインになりました。仮に、価格が本当に上昇し続けたならば、損失は2008/2015トレンドラインの平行線に限定される。より強気な相場であれば、2021年3月の終値である1707にまで下がるということはないと言える。
金価格テクニカル分析:週足チャート(2018年9月~2022年6月) (チャート2)

出所:TradingView マイケル・ブトロス作成
週足チャートをもっと詳しく見ると、金は1818/29で観察されるフィボナッチ・コンフルエンス(フィボナッチの重なり合うゾーン)のわずか上で一服している。週足の終値で一番の安値である1791のわずか下までのレンジでの推移を予想しており、もし下回る場合は焦点を1729で合流する上昇トレンドラインへ移す必要がある。下値を試すのかどうかが注目される展開である。
金価格の主なフィボナッチ・コンフルエンス
3月の下落と2021年の最も高い終値である1903を結ぶフィボナッチ・リトレースメント38.2%がレジスタンスラインとなっており、これを上抜ける週足終値では、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の1962と年初来高値の週足終値1988が見えてくるシナリオで数ヶ月にわたる下落トレンドはなくなると言える。
金価格のボトムライン
金は年初価格あたりのピボットレンジで一服している。第3四半期に差し掛かる予想としては、1818から1903のレンジを下抜け、3月のトレンドラインを下回りながら、下値を試すおそれがある。第3四半期では底値を予想しており、大きく戻すことで結局は上昇トレンドのサポートラインの近くで有利に取引をする好機をもたらすだろう。