米国株、NYダウ、S&P500、米国債務上限問題、テクニカル分析、弱気―トーキングポイント



米国債務上限問題に関し、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長は基本合意した。今後は議会での可決を目指す。議会での行方は依然として不確実性が残るものの、一時に比べ懸念は大きく後退、投資家のリスクセンチメントが改善している。しかしながら、ヘッジファンド等の投機筋はS&P500、NYダウなどの米国株に対して弱気である。このことは、逆張りの観点で今後強気に転換、米国株が上昇する可能性を示唆している。詳しく見てみたい。
NYダウ先物のポジション動向:強気
NYダウ先物の投機筋のポジションは、過去と比べても高水準のネットショートのポジションである。ヘッジファンド等の投機筋はNYダウに対して弱気であることを示している。しかしながら、既に過去と比べても大きく弱気に傾いていることは、今後ショートポジション(弱気)からロングポジション(強気)に転換し、NYダウの上昇圧力になる可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
NYダウテクニカル分析:中立
日足チャートで、各指数移動平均線は概ね横ばいで明確なトレンドを示していない。RSIは中立である50前後で推移しており、中立の見通しとする。水平レジスタンス:34,331.47ドルを上抜けると強気に見通しを転換する可能性が高まる。一方、米国債務上限の効力停止に対する議会採決が難航、リスクオフの流れが強まった際は、水平サポートラインである32,580ドルへ下落する可能性がある。
NYダウ日足チャート




資料:Trading View
S&P500先物のポジション動向:強気
S&P500指数先物の投機筋のポジションは、過去と比べても高水準のネットショートのポジションである。ヘッジファンド等の投機筋はNYダウ同様、S&P500に対して弱気であることを示している。しかしながら、既に過去と比べても大きく弱気に傾いていることは、今後一段と弱気に転じる余地は少なく、債務上限問題などの懸念が後退した際には、強気に転換、ショートポジションからロングポジションに転換し、S&P500の上昇圧力になる可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
S&P500のテクニカル分析:一段高が視野
日足チャートで、上抜けた場合に上昇を示唆するアセンディングトライアングルパターンの上限(4195.44ドル)を上方ブレイクしたため、上昇トレンドの再開を見込む。昨年8月高値:4,325.88ドルが視野に入る。一方、NYダウ同様リスクの流れが強まった際は、水平サポートラインである4,025ドルへ下落する可能性がある。
S&P500日足チャート




資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著