※2023年5月25日11時22分更新
エヌビディア、ナスダック100、S&P 500 – APAC市場まとめ
- 米半導体大手エヌビディアの売上見通しが予想を上回り、株価は25%上昇
- ナスダック100とS&P 500の先物は、波及効果で時間外も上昇
- ナスダックは上昇ウェッジのチャートパターンに警戒、注目すべき水準とは?



米エヌビディアの決算が予想上回り、ナスダック100は時間外取引で上昇
25日のAPAC(アジア太平洋地域)の株式相場は、24日引け後に米半導体大手エヌビディアが発表した2-4月期(第1四半期)決算が米国株式市場のセンチメントを一気に好転させたことを受け、買い先行で始まりそうだ。現在、世界で最も注目されている半導体メーカーである同社が示した5-7月期(第2四半期)の売り上げ見通しは、人工知能(AI)がもたらす需要に後押しされ、アナリスト予想(71億8,000万ドル)をはるかに上回る約110億ドルだった。
24日の時間外取引で、エヌビディアの株価は25%超上昇し、ハイテク銘柄の比率が高いナスダック100指数(先物)、そしてある程度はS&P 500種株価指数にも波及効果をもたらした(下図参照)。その結果、米国株式市場でナスダック総合株価指数は0.61%安となった23日の下落の大部分を取り戻した。
米国株安は元々、今も交渉が続く債務上限問題と金融政策の動向に対する悲観的な見方が引き金となった。米国の債務不履行が景気後退リスクの拡大につながったためだ。24日には、格付け会社フィッチ・レーティングスが米国のAAA長期外貨建て格付けを格付ネガティブウォッチに置いたと発表した。ガバナンスリスクをどの程度管理できているかについて米国は、他のAAA格付け国に比べ、管理能力が低いように見受けられるとしている。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策立案者が利下げの可能性は「低い」と強調し、目先の緩和期待に冷や水をかけた。
25日のAPAC市場では、目立った経済イベントリスクはなく、金融市場の主要な原動力はセンチメントになると思われる。そのため、エヌビディアの好決算で米国株高となった流れを引き継ぎ、香港ハンセン指数、豪ASX 200株価指数、日経平均株価などは上昇する可能性がある。
ナスダック100 15分足チャート
資料:TradingView
ナスダックのテクニカル分析
日足チャートでナスダック100指数は、上昇ウェッジのチャートパターン内で取引されているように見える。指数がこのパターン内にとどまる限り、当面のテクニカル見通しは強気となりそうだ。一方、上昇ウェッジの下方トレンドラインを割り込んだ場合は、今年に入ってから積み上げてきた上昇分が取り崩される可能性がある。
ナスダック100 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。