※2023年8月16日15時25分更新
NZドル、NZドル/米ドル、NZ中銀、FRB、中国、NZX50指数 - トーキングポイント
- NZドルは、NZ中銀が利上げを見送った直後、取引序盤に見られた下落分を取り戻した
- 中国経済の雲行きが怪しくなったことを受け、NZドルは下落していた
- NZ中銀はインフレ率に注目しているようだ。NZ中銀が再び利上げに踏み切れば、NZドル/米ドルは上昇するのか?
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ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)が政策金融委員会(MPC)を開催する前、ニュージーランドドルは10カ月ぶりの低水準に沈んでいたが、きょう16日のMPCでRBNZが政策金利を5.50%に据え置いた直後から反発した。
事前から利上げ見送りを予想する声が多く、MPCに向け米ドル高が進んでいたが、声明が予想以上にタカ派的だと受け止められ、ニュージーランドドルを買う動きが強まったようだ。
政策金利であるオフィシャ ルキャッシュレート(OCR)はパンデミック時の最低水準を上回る525ベーシスポイン ト(bp)となり、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS) 市場では、2024年初頭に25bp引き上げる確率が50%となっている。
きょうのMPC以前は、このサイクルでの追加利上げは予想されていなかった。金利市場でのこうした受け止め方の変化がニュージーランドドルを下支えしているのかもしれない。
RBNZがきょう、政策金利を据え置くというのが大方の見方だった。7月に利上げを見送るまで、RBNZは2021年10月の最初の利上げ以降、OCRを12回引き上げてきた。
ニュージーランドのS&P/NZX 50種株価指数は、きょうの金利決定前は7週間ぶりの安値を付けていたが、決定後は伸び悩む展開となっている。



リスク資産と景気動向に左右されやすい資産に対するセンチメントは、北米市場に続き、きょうのAPAC(アジア太平洋地域)市場でも引き続き悪化している。15日の米国株は、すべての主要株価指数で1%超下落した。
米国の小売売上高が好調だったことからネガティブな見方が広がり、米連邦準備制度理事会(FRB)が従来考えられていたよりもタカ派に傾くとの懸念につながった。
こうした見解は、米ミネアポリス地区連銀のニール・カシュカリ総裁の発言によってさらに強まった。カシュカリ総裁は、FRBがインフレ率を目標の2%まで低下させるのに十分なことをしたかどうか、疑問を呈した。
中国の景気回復をめぐる懸念は以前から渦巻いている。中国人民銀行(中央銀行)は昨日、1年物の中期貸出制度(MLF)金利を引き下げたが、最近の経済指標は、さらなる政策調整の可能性を示唆している。
今後の動きとしては、RBNZのエイドリアン・オア総裁がきょう記者会見を行う。
また、オア総裁は17日、議会選定委員会に出席し、金融政策文書(MPS)に関して発言する予定だ。
市場は、オア総裁のきょう発言する内容が意表を突くことはないと見ている。
次回のRBNZ会合は、10月14日に実施される総選挙に先立ち、10月初旬に開催される。MPSの全文はこちら(英語)から確認できます。



金利据え置きに対するNZドル/米ドルの反応
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。