天然ガス、LNG、フリーポート、在庫、テクニカル分析 - トーキングポイント



天然ガス先物価格は一晩で16%以上急落し、2022年3月以来の安値水準に落ち込んだ。この下落により、過去最高値を記録した6月からの下げ幅は拡大した。現在、その高値から40%以上下落しており、弱気相場が定着しつつあるように見える。1月1日からの上昇分を帳消しにするには、価格はまだ100万英国熱量単位(MMBtu)当たり2ドル近く低下しなければならない。
欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF(タイトル移転施設)の先物価格は今週、12%以上上昇している。ロシアからの供給が途絶えた後、欧州は厳しい冬を迎える可能性がある。欧州は供給源を多様化するため、米国に液化天然ガス(LNG)を求めたが、米国の輸出施設で壊滅的な障害が発生し、そのLNGの流れは事実上停止している。さらに、米国の規制当局は、この施設の運営会社であるフリーポートLNGに対し、修理の前に安全計画を立てるよう求めている。
米国国立気象局の今後6-10日間の気温見通しでは、米国本土の大部分で平均より高い気温が予想されているため、天然ガス価格の下落は長くは続かないだろう。気温が高くなると、サーモスタットが温度を下げるため送電網に負担がかかり、天然ガスの需要が高まるのが一般的である。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した6月24日までの一週間の天然ガス在庫は前週比820億立方フィート(Bcf)増だった。これは、アナリストが予想していた740億立方フィートを上回った。 全体として、欧州への流入が減少したことで、気温が上昇しても米国内の価格は上値を抑えられるだろう。
天然ガス テクニカル分析
天然ガス価格は、先週サポート水準となっていたフィボナッチリトレースメント61.8%の水準を割り込んだ。200日単純移動平均線(SMA)を下抜けた後は、アジア市場の早い取引時間帯に反発し、SMAを上回る水準まで値を戻した。ただ戻りは小幅であり、大幅下落後の短期的な調整にすぎないと考えられる。今後数日間に200日SMAを下回る動きがみられる可能性がある。
天然ガス 日足チャート

資料:TradingView
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
ウェストウォーター氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitter で@FxWestwater までお願いいたします。