米国株見通し
- 米国株は2日続伸、センチメントは徐々に改善
- S&P500は0.59%高、ナスダック100は1.55%の上昇
- 大引け後に発表された米テスラの決算はコンセンサス予想を上回り、株価は時間外取引で4%近く上昇
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20日の米国株は続伸。小動きで始まったものの、投資家心理が徐々に改善し、最近の大幅下落や極端な悲観論などを引き起こす最悪期は脱したとの期待感から、その後、急ピッチで上昇した。
S&P500種株価指数は0.59%高の3,959と、6月10日以来の高水準で取引を終了した。一般消費財と情報技術(IT)関連のセクターが上昇を主導した。一方、ナスダック100指数は、ネットフリックス、アマゾン、メタ・プラットフォームズ、エヌビディアの株価が大幅に上昇したことも寄与し、他の指数をアウトパフォーム(他のセクターよりも良いパフォーマンス)し、1.55%高の12,439となった。
ネットフリックスは、第2四半期の一株当たり利益(EPS)が市場予想を上回り、加入者数の減少が予想より少なかったことが、ハイテク株にとって好材料となった。パンデミック後の世界において、ストリーミング配信事業が安定し始めた可能性を示唆したためである。ストリーミング配信事業はパンデミック期にはステイホームの風潮で大幅に利益を伸ばしたが、パンデミック後はその反動で伸び悩んでいた。



世界最大の電気自動車メーカーである米テスラの好調な四半期決算を受け、時間外取引でも強気なムードが続いた。イーロン・マスク氏が率いるテスラは、2022年4-6月期の売上高は約169億ドル、調整後EPS は2.27ドルと発表し、中国での生産が減速したにもかかわらず、双方とも事前の市場予想(売上高168億8000万ドル、EPS1.83ドル)を上回った。テスラの株価は、本稿執筆時点では上値が重くなり始めていたものの、時間外取引で4%以上急騰した。
今後のイベントとしては、米国では21日に重要な経済指標の発表はないが、欧州では欧州中央銀行(ECB)が理事会で金融政策を決定するため、米国株式市場にある程度のボラティリティが生じる可能性がある。トレーダーは、現在進行中の決算発表にも注目し、企業の見通しや、インフレと成長鈍化が利益率に与える影響についてのコメントなどを注意深く見ておく必要がある。米国時間21日は、ユニオン・パシフィック、ブラックストーン、フリーポート・マクモラン、スナップなどの企業決算発表が注目される。
ナスダック100 テクニカル分析
ナスダック100指数は、20日に堅調に上昇した後、12,250付近の重要なレジスタンスを上抜け、6月9日以来の高水準まで上昇した。センチメントが回復し、ハイテク株がアウトパフォームし始めているため、同指数は今後数日間、上昇し続け、次の上値抵抗線である12,600へ向かう動きとなるかもしれない。この水準を超えるような動きがあれば、心理的な水準13,000の上値を試す展開もあり得る。一方、強気派の勢いが弱まり、売りが再び優勢となってトレンドが反転する場合は、最初の下値支持線として12,250、次いで11,500が意識されよう。さらに下落すれば、焦点は11,325に移るだろう。
ナスダック100 テクニカルチャート

資料:TradingView