ナスダック100、米国債利回り、逆イールド、FRB - トーキングポイント
- ナスダック100は直近の安値から回復したが、さらに厳しい状況が待ち受けている可能性がある
- FRBは、金利上昇が今後も続くことを明らかにした
- 逆イールドの拡大が示唆するものとは? ナスダックは地合い回復となるか?



米国の10月小売売上高が典型的な「良いニュースは悪いニュース」の展開となったことを受け、16日のナスダック100指数は下落した。米国株が売られる一方で、米国債は買われた。
2年物より年限の長い米国債の需要が高まり、その利回りは低下した。長期金利の指標となる10年物国債利回りは16日、8ベーシスポイント(bp)低下した一方、1年債と2年債の利回りは数ベーシスポイント上昇した。
このため、米2年債と10年債の利回り差はマイナス67bpと、2000年以来の水準に接近した。
過去には、逆イールド現象は景気後退の前兆とされることがあったが、必ずしもそうとは言えない。過去の実績は将来の結果を示唆するものではないことに留意する必要がある。
1年物と2年物の利回りは、短期金利の動向に大きく左右される。これらは主に米連邦準備制度理事会(FRB)の目標金利に影響される。
FRBは、インフレ抑制のために金利をしばらく上昇させる必要があると明言している。FRB理事であるメアリー・デイリー氏、ジョン・ウィリアムズ氏、クリス・ウォーラー氏らの発言は、この見解を改めて強調した。
先物・スワップ市場は、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での50bsの利上げ実施を織り込んでいる。これは、前回の75bpから一歩後退することになるが、金融引き締めであることに変わりはない。



16日の米国債市場では逆イールドの拡大が進んだが、20年債と30年債の利回りは、10年債ほど低下していない。
このことは、10年債がイールドカーブのベリー(お腹)と呼ばれる中期ゾーンに位置していることを示唆している可能性がある。10年債に対する需要増は、アセットアロケーション(資産の分配)の見直しの可能性について何か示唆しているのかもしれない。国債ファンドの多くは、10年債のデュレーションに基づいた資産運用を行っている。
株式が売られるのと同時にイールドカーブのこの部分に需要が発生するのは、投資配分の見直しを示唆している可能性がある。
FRBは金融情勢を引き締めようとしており、負債や新たな資本調達に依存する企業は、この環境を厳しいと感じるかもしれない。テクノロジー企業の多くはこうした企業であるように見受けられる。
決算期が終わったばかりで、テクノロジー株は全般的に不利な状況にある。FRBが積極的な利上げを実施しないとしてもタカ派的な姿勢は維持することを前提にすると、投資家はテクノロジー株の買いには慎重になるかもしれない。
ナスダック、10年債利回り、米2-10年債の利回り差

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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