メキシコペソ、MXN、USD/MXN、MXN/JPY、金融政策―トーキングポイント



メキシコ中央銀行の決定会合迫る
メキシコ中央銀行は日本時間19日に金融政策決定会合を開催する。前回会合にて利上げ幅を0.25%に縮小し、今回の会合では据え置きが予想されている。金融市場では、その後年末にかけて利下げを実施することが織り込まれている。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
メキシコのインフレ率は鈍化傾向にあるものの、インフレ目標(2%~4%)と比べ、高い水準にある。

資料:Trading Economics
底堅い労働・経済環境
今後もインフレ鈍化が見込まれている。インフレ動向に大きく作用する雇用市場は底堅く推移しており、年末にかけて利下げを実施するほどインフレが鈍化するかは不透明である。

資料:Trading Economics
また、景気の先行指標である購買担当者景気指数(PMI)は、メキシコ経済が底堅く推移していることを示唆している。19日の会合で当面の利下げを強く否定した場合や追加利上げが示唆された場合、メキシコペソ高に寄与する可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
通貨と関係の深いメキシコの実質金利の水準は他国と比べて高い水準であり、メキシコペソのサポート要因になろう。

資料:Trading EconomicsよりDailyFX.comが作成。
また、海外からのメキシコ人労働者のメキシコへの送金等を背景に経常収支は改善傾向にあり、メキシコペソのサポート要因となろう。

資料:Trading Economics
通貨オプション市場のリスクリバーサルを確認すると、メキシコペソ高に対する警戒感は高くなく、一段と上昇する余地があることを示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
米ドル/メキシコペソのテクニカル分析:メキシコペソ高
米ドル/メキシコペソの週足チャートを確認すると、9、20、50、200期間指数移動平均線が下向き、かつ下から順の米ドル安メキシコペソ高を示唆する「パーフェクトオーダー」が引き続き成立している。日足チャートでも同様に9、20、50、200日指数移動平均線がメキシコペソ高を示唆する「パーフェクトオーダー」が引き続き成立しており、一段の米ドル安メキシコペソ高を見込む。23年1月まで形成していたそれまでのメキシコペソ高トレンドの継続を示唆する下降レクタングルパターンの価格幅からは16.85までのメキシコペソ高を見込む。一方、金融不安や米国債務上限問題に対する懸念が高まった場合は、心理的節目かつ水平レジスタンスである18.0までの米ドル高メキシコペソ安が進展する可能性がある。



米ドル/メキシコペソ週足チャート

資料:Trading Viewより作成
米ドル/メキシコペソ日足チャート

資料:Trading View
メキシコペソ/円のテクニカル分析:メキシコペソ高
メキシコペソの対円の日足チャートはパーフェクトオーダーが成立しており、メキシコペソ高円安を示唆している。また、アセンディングトライアングル(上向きの三角形)パターンの上限を成立しており、ペソ高トレンドに弾みが付いている。2015年来の8.0円が視野に入る。一方、米国債務上限問題が高まった際には、サポートラインに転換したことが期待されるパターンの上限:7.6822円へ下落する可能性がある。
メキシコペソ円日足チャート

資料:Trading View
--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著