カナダドル、CAD、米ドル/カナダドル、カナダドル/日本円、インフレ、金融政策―トーキングポイント



カナダインフレ率
カナダ中銀は12日の金融政策決定会合にて利上げを実施し、更なる利上げの可能性を残した。カナダ中銀の更なる利上げ観測に加え、米国のインフレ鈍化に伴いFRBの利上げ局面終了が近いとの見方が強まったことや、カナダの主要産品である原油価格が上昇していること等を背景にカナダドルが上昇している。
18日夜間にカナダでインフレ率が公表される。主要中銀の利上げ停止が視野に入りつつある中、インフレ高止まりが示された場合、カナダ中銀の一段の利上げが必要との見方が強まり、カナダドルのサポート要因になろう。
カナダインフレ率

米ドル/カナダドルの見通し:カナダドル高シグナル
日足チャートで、米ドル高カナダドル安トレンドへの転換を示唆する「陰の包み足」が示現して以降、サポートライン1.362レベルを下方ブレイク(米ドル安カナダドル高)し、カナダドル高トレンドが鮮明化している。テクニカル面での強気シグナルに加え、米FRBの利上げ終了が近く、カナダ中銀の利上げの可能性が残る中、18日夜間公表のインフレが市場予想を上ぶれた場合、7月14日安値1.30922レベル更新、年初来安値更新(カナダドル高)を見込む。
原油価格が下落した場合等の上値(米ドル高カナダドル安)は、レジスタンス転換した可能性がある1.362レベルが視野に入る。
USDCAD日足チャート

変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -13% | 7% | -3% |
週次 | 3% | -15% | -7% |
資料:Trading View
カナダドル/日本円の見通し:カナダドル安を示唆
20日指数移動平均線を下抜け、MACDラインが上向きかつ、シグナルラインを下回っており、下落トレンド(カナダドル安円高)の勢いが衰えていない。9日指数移動平均線が20日指数移動平均線を下抜ける弱気の「デッドクロス」が成立している。RSIは弱気を示唆する50割れに転換し、テクニカル面ではカナダドル安トレンドを示している。
昨年10月から今年1月にかけてのCADJPYの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準104.346レベルでサポートされるかに注目。下方ブレイクした場合、50%水準の102.491が視野に入る。
一方、カナダのインフレ率が市場予想を上振れ、カナダ中銀の利上げ織り込みが一段と進展した場合、現在105.87レベルにある9日指数移動平均線上抜けをトライしよう。更に、上昇しフィボナッチ78.6%水準の106.986を上抜けると、カナダドル安トレンドが終了した可能性が高まる。
CADJPY日足チャート

資料:Trading View
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著