


日銀、緩和サイクルの全員一致を維持
米ドル/円はFRB(米連邦準備制度理事会)が抑制的な政策を追求する中、1998年8月の高値(147.67)を試そうとしている。日銀がイールドカーブ・コントロールによる量的・質的金融緩和プログラムを維持することを全員一致で決定しているため、日本円は引き続き、米ドルを下回る可能性がある。
日銀は、日本経済が「商品価格の上昇による下押し圧力にさらされると予測される」ため、政策転換を急いでいないようだ。黒田東彦総裁は今後数ヶ月間、緩和サイクルの維持を準備しているのだろう。日銀は、CPI(消費者物価指数)の前年比上昇率が2%を超え、安定的に目標を上回るまでマネタリーベースを増加させると表明している。
日本政府、円相場に為替介入で対応
9月の日銀会合後、神田眞人財務官が「投機的な動き」に対応して、政府が「断固たる措置」を取ったことを表明したことで、米ドル/円の1日の値幅が2016年以来、最大の大きさを記録した。
今後数ヶ月間、日本が1998年以来初めて、外国為替市場に介入するため、日本円はボラティリティの上昇に直面する可能性がある。他の先進国で金利が上昇する中、日本の措置は主要な為替レートに持続的な影響を及ぼさない可能性もある。
FRBの抑制的な政策により円相場のボラティリティは継続
FRBの予測では、米国の中央銀行がインフレ対策として現在の措置を継続すると示唆されている。FOMC(米連邦公開市場委員会)が抑制的な政策を追求しているため、今後数ヶ月の米ドル/円に大きく影響する可能性がある。
FRBの金利予測分布図

出所:FOMC
金利予測分布図の上方修正により、フェデラル・ファンド金利が2022年末までに4.00%を超えると予測されるため、0.75%の追加利上げの可能性が高まっている。中央銀行はインフレ率が低下していることを示す「説得力のある証拠」を探しているため、さらなる政策見通しの調整を実施する可能性がある。FOMCは2023年まで利上げサイクルを継続すると予測される。
FOMCが利上げサイクルを継続する中で、日銀が緩和サイクルの縮小に向かわせるような圧力を受けるかどうかはまだ不明だ。金融政策の方向性の違いは今後も為替市場を揺るがし、日本円は2022年末まで逆風に直面する可能性がある。
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