円相場のテクニカル分析見通し:やや強気
- ドル/円は、下降三角形が形成された後、下落の可能性が示唆されている
- スイスフラン/円は、 重要なトレンドラインを下回り、トレンド反転の可能性が浮上
- 豪ドル/円は、回帰チャネルを下回ったことで買いシグナルが点灯し、その後上昇している
ドル/円のテクニカル分析見通し:中立
ドル/円は、先週金曜4日に1%下落し、先週は約0.5%の下落を記録した。先週は、週明けに重要な心理的水準である150付近で勢いを失った。26日指数平滑移動平均(EMA)は、週を通して数回、価格を下支えした。先週水曜には、5月と10月の動きをベースとしたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準を試したが、下抜けなかった。この水準は、近いうちに再び注目されるかもしれない。
上昇トレンドが維持されている一方で、下降三角形(ディセンディングトライアングル)パターンは弱気の勢いが増していることを示している。フィボナッチ23.6%の水準とほぼ一致する三角形の支持線を終値で下回れば、下降方向に向かう可能性が高まるが、そのためにはまず26日EMAを割り込む必要がある。26日EMAをブレイクした場合、次は100日単純移動平均線(SMA)がターゲットとなる。ただ、その前には、9月中、ずっと価格を下支えしてきたフィボナッチ38.2%の水準があり、これがブレイクを阻む可能性がある。
一方、ドル/円が三角形の抵抗線を上回った場合は、150の心理的水準を試す展開となろう。150は、日銀が市場介入に動くと考えられている水準でもある。RSI(相対力指数)は先週、横ばい傾向にあったが、中間値を上回る水準で推移していた。全体として、上下どちらの方向にも動く要素はあるが、下降に向かうと見るのが一番自然のように見える。
ドル/円 日足チャート

資料:TradingView

スイスフラン/円 テクニカル分析見通し:弱気
スイスフラン/円は、50日SMAを割り込むという決定的な動きで、サポートとして機能してきた5月からの上昇トレンドラインを下方にブレイクした。週足では、RSIが買われ過ぎの70を下回り、急速に勢いが弱まっていることを反映している。 日足では、RSIは中間点を下回った。価格が下方に向かうのは150の水準付近で数カ月間もみ合った後だろう。
価格は、5月から9月にかけての動きをベースにしたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準で下げ渋っている。この水準を割り込めば、今年初めに何度か下値を支えた100日SMAが視野に入ってくる。トレンドラインをブレイクしたことから、短期的な見通しは弱気と見ている。とはいえ、フィボナッチを上回る水準で小動きとなる展開も考えられる。
スイスフラン/円 日足チャート

資料:TradingView
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豪ドル/円のテクニカル分析見通し:強気
オーストラリアドル/円は、先週金曜に2%近く急伸し、週ベースでは3週連続の上昇となった。2021年後半のスイングローからの線形回帰チャネル(リグレッションチャネル)からは、価格が、通常、値動きの95%近くを占めると言われる標準偏差2の範囲を一時的に超えたことが確認された。 チャネルの外側への動きは、買いシグナルを点灯させ、価格は回帰チャネルのラインまで戻ると想定される。とはいえ、豪ドル/円はもっと上昇する余地があるはずと見ている。
豪ドル/円 日足チャート

資料:TradingView



--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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