円、ドル/円、ドル、日銀、CPI、イールドカーブ・コントロール、YCC - トーキングポイント
- 日銀の予想外の発表を受け、ドル/円は急落している
- 日本政府は日銀との役割を定めた2013年の共同声明を初めて改定する方針を固めたと報道された
- 日銀の政策変更は市場に影響を与えるだろう。ドル/円の弱気トレンドは加速するのか?



19-20日に開いた金融政策決定会合で日銀が大規模緩和を修正する方針を決め、日米金利差の縮小を見込んだ円買いが膨らみ、円相場は大きく上昇した。
ドル/円は4カ月ぶりの安値に急接近し、日経平均株価は発表後、すぐさま3%超の下げに転じた。
日銀は政策金利をマイナス0.10%に据え置く一方、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)策を修正し、従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大することを決めた。
日銀は現在、日本国債発行残高の50%以上を保有している。ドル/円は数秒で137.50から134.00を下回る水準まで急落した。
市場では、この日銀の動きは、中央銀行らが今後、政策の調整を進めていく第一歩になるのではとの見方が出ている。日本国債の利回りが上昇すると、世界的に大きな影響を与える可能性がある。
日銀が決定した金融政策の影響は、幅広い資産クラス(金融市場)が再評価されるという形で大いに反映される可能性がある。円はしばしば資金調達通貨として利用されている。日本人は米国債の最大保有者である。
先週17日に共同通信社が、岸田政権は来年4月9日に就任する次期日銀総裁と協議し、2%の物価目標の達成時期を見直すなど、より柔軟なアプローチを検討していると報じたことを受け、週明けのドル/円はすでに振れの大きい展開となっていた。政府と中央銀行の協定においては、物価の安定が合意の中核をなしている。
この記事では、2023年4月に次期日銀総裁が任命される頃に協定が見直される可能性があるとした匿名の政府関係者談が引用されていた。きょう20日の日銀の動きは、この報道が合図だったのかもしれない。
日本の全国消費者物価指数(CPI)は23日に発表される。ブルームバーグのエコノミスト調査では、11月のCPI総合指数は前年同月比3.9%上昇と、前月(同3.7%上昇)を上回ると見られている。



ドル/円 テクニカル分析
ドル/円は先週、下降トレンドチャネルの上限バンドを試したが、上抜けできなかった。きょうの試みも失敗に終わり、日銀の発表がトレンドチャネルの維持に一役買ったようだ。
下降トレンドラインは、137.67-138.17のゾーンにある2つのブレイクポイントと直近高値とともに、引き続きレジスタンスとなる可能性がある。
下落局面では、131.74、131.50、131.35、131.25、130.40に過去の安値とブレイクポイントがあり、この収束エリアがサポートとなりそうだ。現在、130.91に位置する260日単純移動平均線(SMA)は、これらの水準の中間点にある。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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