テクニカル分析による米ドル/円相場(為替)の見通し:勢いに乗る強気派
米ドル/円は今年に入り強い上昇トレンドにあり、FXの基準では大幅な伸びである9%以上の上昇を達成し、その目覚ましい強気相場で高値を更新しながらレジスタンスラインを次々と突破している。
この通貨ペアは第3四半期が始まる直前の6月の終値で数カ月ぶりの高値を更新し、下のチャートが示すように、2022年10月の高値と2023年1月の下落による安値のフィボナッチリトレースメント61.8%である142.50を突破した。本原稿の執筆時点では、このブレイクアウトが維持されるかどうかを判断するのは時期尚早だが、もし維持されれば、強気派は自信を得て145.00〜145.75のレジスタンスゾーンへの挑戦を始める可能性がある。
145.00に向けて上昇した場合、トレーダーは自制心を強め、日本政府による為替介入に警戒する必要がある。円を支えるために執られるいかなる動きも激しいボラティリティを発生させる可能性があり、価格変動によってどちらか一方の取引において、損切りのための逆指値注文を引き起こすリスクが高まる。このことは、今後トレーダーが留意すべきことである。
為替介入が実現せず、米ドル/円が上昇幅を拡大し145.00〜145.75のゾーンを決定的かつ持続的に上回った場合、買いの勢いは加速し、151.00のやや上に位置する2022年の最高値に向け上昇する準備が整ったといえる。
その反面、もし売り手がマーケットに戻り弱気の反転が起きた場合、142.50より上を維持できるかどうかが重要である。維持できない場合は強気派の勢いが衰えている兆しかもしれず、141.00〜140.40のサポートゾーンに向けた反落の可能性に備えるべきだ。さらに下落した場合、次の注目すべき重要な下値は138.35から137.80、そして134.00である。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 10% | 5% | 6% |
週次 | 0% | 6% | 5% |
米ドル/円 週足チャート
出所:TradingView
テクニカル分析によるユーロ/円相場(為替)の見通し:加速する強い上昇トレンド
ユーロ/円はテクニカル分析において米ドル/円と似たような特徴を持つが、その上昇トレンドはさらに強く、今年に入り11%以上の上昇をみせ、2008年以来の最高値を付けている。とはいえ、日銀が超緩和的な姿勢を維持する限り、マーケットの流れがすぐに変化することはないため、ユーロは当面、円に対し強気基調を維持すると予測している。
注目すべき重要なテクニカル水準に目を向けると、ユーロ/円は第3四半期に向けて長期的な上昇チャネルの上限である157.00に近づきつつある。このレジスタンスライン付近での価格の反応は、目先の見通しに重要な手掛かりとなる可能性があるが、考慮すべきシナリオは次の2つである。ひとつはレジスタンスラインを突破しブレイクアウト、もうひとつは弱気派の抵抗だ。
157.00を上回って価格が推移した場合、さらに大きな上昇を引き起こす強気派の勢いを妨げる障害はほとんどないだろう。2007年から2008年の高値が並ぶ169.00付近まで重要なレジスタンスラインは存在しない。
もうひとつの可能性は、弱気派の抵抗によって反落するパターンである。157.00の攻防を売り手が払いのけ下落した場合、151.75が最初のサポートラインとなり、これを下抜けるなら次は150.00〜149.45のサポートゾーンが目標になる。それより下では、146.00〜145.50、そして200日移動平均線付近の144.75に注目したい。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 3% | -4% | -2% |
週次 | 1% | -9% | -7% |
ユーロ/円 週足(2週)チャート
出所:TradingView
この記事では、円のテクニカルな見通しのみを取り上げています。中期的に日本の通貨に影響を与える可能性のあるファンダメンタル見通しについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをクリックして、DailyFXの四半期取引ガイドをダウンロードしてください。無料です!


